川崎・藤井祐眞が誇るBリーグ「最高の守備」 “頂上決戦”初戦で見せた意地と復活
第3クォーターで30-20と上回り逆転、富樫相手に食らいつく
川崎の佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)はこう振り返る。
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「前半は千葉の強みを出させてしまう展開でした。オフェンスでなかなかシュートが入らず、タフなディフェンスをされて、そのまま走られる展開が少しあった。そこは一番やらせたくなかったので、そこが反省点でした」
47失点した大きな背景は“攻撃の終わり方”だった。佐藤HCは説明する。
「しっかりリングにアタックできている時は良かったんですけれど、押し出される時にボールが止まってしまった。しっかりリングにアタックしようという狙いで、オフェンスの流れを作れたところが、3クォーターにカムバックできた理由だと思います」
屈強なインサイドプレーヤーが待ち構えるゴール下に切れ込む、そこにパスを出すプレーにはもちろんリスクもある。ただそこで逃げてしまうと攻撃が停滞し、守備にも悪影響が出る。
後半の藤井はチームの先頭に立って、ゴール下へのドライブやパスを増やした。一時的に息切れが起こったとしても、一度追い込めば心肺機能が目覚め、全身にスイッチが入る。それがこのレベルのアスリートだ。
「富樫選手が(前半で)ファウル2つだったので、そこへ積極的にアタックしようと意識していました。前半に息を上げた分、後半にやってやろうみたいな気持ちもありました。相手はトランジションが脅威。そこにつなげないオフェンスの終わり方を、賢次さん(佐藤HC)は評価してくれたと思います」
藤井は守備の激しさ、しつこさが評価され、2年連続でBリーグの「ベストディフェンダー賞」を受賞している。富樫はそんな彼が特にしつこく食らいつく相手だ。
「富樫選手の映像を見て、抑えようとしますけど、やられる時はあります。今日も前半は疲れて、それがまったくできませんでした。それでも富樫選手が出ている時間帯は、追いかけっこのようにずっと粘り強くついていくのが一番かなと思います。富樫選手をチェイスして、ピックを使われても後ろからついていって、シュートを少しでもタフにできるように意識しています」
18日の試合は藤井が19得点4アシストで、富樫は15得点6アシスト。藤井、篠山竜青につかれて、これだけ決める富樫もまたスペシャルな存在には違いない。
川崎は第3クォーターで30-20と千葉を上回り逆転。接戦ではあったが、89-85で東地区の“頂上決戦ファーストラウンド”を制した。藤井が第3クォーターに見せたカムバック、再点火が試合を決める大きなポイントだった。
(大島 和人 / Kazuto Oshima)