錦織の才能「疑いの余地ない」も「成功し切れない」理由、英メディアが特集
26歳の日本人プレーヤーは今後さらなる飛躍を遂げられるか――。14日にATPツアー・ファイナルの初戦を迎える世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)について、現地メディアが特集記事を組み、ここまでの歩みと今後の可能性について掘り下げている。
ツアー・ファイナルで飛躍遂げられるか
26歳の日本人プレーヤーは今後さらなる飛躍を遂げられるか――。14日にATPツアー・ファイナルの初戦を迎える世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)について、現地メディアが特集記事を組み、ここまでの歩みと今後の可能性について掘り下げている。英衛星放送局「スカイ・スポーツ」電子版が「ケイ・ニシコリは次のステップへと進み、継続したチャレンジを続けられるか?」とのタイトルで伝えている。
今年は夏のリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得し、その後の全米オープンでは準々決勝でアンディ・マレー(英国)をフルセットの末に撃破。2年ぶりのベスト4進出を果たした。今年10月末には一時、自己最高タイの世界ランク4位に浮上。記事ではそんな26歳について「ニシコリはまだ成功し切ったわけではない」とレポートし、その要因について分析。「ニシコリには才能がある。これは疑いの余地がない。しかし彼は常に怪我に悩まされ、頂点に立つことを妨げらてきた」と伝えている。
記事では、コーチを務めるダンテ・ボッティーニ氏が錦織の怪我に関する問題点について「ケガや痛みに対してどう対処していいか分からなかった」と語っていることを紹介。マイケル・チャンコーチはその教え子に対して2014年末に「もし来年(15年)に目標があるとするなら、その年の95%をケイが怪我なくプレーし切ることだ」、そして今年初頭に「サーブについては、過去数年で多くのことを改善してきたが、さらなる改良を加え、安定感を増すことが必要だ」と目標を掲げてきたという。
今年も負傷による途中棄権はあったものの、錦織自身はツアー・ファイナルを前にして「体力的に、ここ数年で強さが増してきました。毎日厳しい練習を積んで、毎試合自信を持って臨み、楽しんでプレーするように努めてきました。いいモチベーションです」と充実感を漂わせているという。
今季最終戦では世界1位に躍り出たマレー、同3位のスタン・ワウリンカ(スイス)、同7位のマリン・チリッチ(クロアチア)と難敵揃いのグループに入った。初戦は14日のワウリンカ戦。錦織は「疑いの余地がない」才能を開花させ、快進撃を見せられるか。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images