ドネア、衝撃4回KOでWBC団体内王座統一 井上尚弥との再戦に前進「私はまだまだできる」
ボクシングのWBC世界バンタム級王座統一戦12回戦は11日(日本時間12日)、米カリフォルニア州カーソンで行われ、正規王者ノニト・ドネアが暫定王者レイマート・ガバリョ(ともにフィリピン)に4回途中KO勝ち。無敗の25歳を左ボディーで沈める衝撃の決着となった。初防衛とともに団体内統一を果たし、通算成績を48戦42勝6敗とした。
ガバリョを左ボディーで沈めて初防衛、井上戦に言及「互いにリスペクトしている」
ボクシングのWBC世界バンタム級王座統一戦12回戦は11日(日本時間12日)、米カリフォルニア州カーソンで行われ、正規王者ノニト・ドネアが暫定王者レイマート・ガバリョ(ともにフィリピン)に4回途中KO勝ち。無敗の25歳を左ボディーで沈める衝撃の決着となった。初防衛とともに団体内統一を果たし、通算成績を48戦42勝6敗とした。
フィリピンの閃光が衝撃KOだ。お馴染みのブルーとオレンジのパンツでリングに立ったドネア。1回から積極的に手数を出し、右を顔面にクリーンヒットさせる上々の立ち上がり。以降はハイレベルな攻防が続き、3回にはガバリョが右瞼をカット。決着は4回終了間際だ。ドネアが接近戦から左ボディーをレバーに打ち込むと、ガバリョはたまらず膝を突いた。一度は立ち上がったが、ダメージが色濃く再び膝を突く。KO決着だ。
5階級制覇王者の39歳ドネアは18年からバンタム級に復帰し、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に参戦した。決勝で井上尚弥(大橋)にフルラウンド死闘の末に敗れ、WBAスーパー王座から陥落したが、再起戦となった今年5月のノルディ・ウーバーリ(フランス)にKO勝ち。WBCのタイトルを奪取し、井上との再戦を希望していたが、この日の勝利で一歩前進した。
試合後はリングインタビューに立ったドネア。自身をリスペクトする母国後輩との対戦でやりづらさはなかったか問われると「そんなことないよ。さまざまな試合の経験がある。何か違う展開になるかと思ったけど、左のフックを警戒しているのも分かっていた。でも、なんの手加減もしなかった」と振り返った。陣営からボディーを狙えと指示を受け、序盤から狙っていたという。
バンタム級を巡ってはこの日、WBOで動きがあった。王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)と同級1位のポール・バトラー(英国)の世界戦が行われる予定だったが、カシメロがウイルス性胃腸炎を訴え、前日計量をキャンセル。一度は暫定王座決定戦として決まっていたバトラーと同級8位ジョセフ・アグベコ(ガーナ)が戦う代替カードも中止となり、混沌としてきた。
一方、WBAスーパー&IBF王者・井上は14日にWBA10位・IBF5位のアラン・ディパエン(タイ)との防衛戦(東京・両国国技館)を迎える。ここを勝って、来年以降にWBCとWBOのベルトを狙い、4団体統一を目指すという青写真だ。ドネアは井上との統一戦に振られると「プロモーターに任せたい。お互いにリスペクトしている。リチャード(プロモーター)がお膳立てしてくれるに違いない」と待ち望んだ。
最後は「ハードにトレーニングすることが成果を生んだ。私はまだまだできるんだ。今日は幸せになれる日だった。応援してくれてありがとう」と力強く語った。
(THE ANSWER編集部)