「女子選手の一つの形を見てもらえた」 ママハードラー寺田明日香が飛躍の1年を回顧
日本陸上競技連盟は9日、都内のホテルで「日本陸連 アスレティックス・アワード 2021」の受賞者を発表した。女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)は、「サトウ食品日本グランプリシリーズ シリーズチャンピオン」の女子部門で女王に。強化費としてサトウ食品から100万円が贈られた。
陸連アワードの受賞者発表
日本陸上競技連盟は9日、都内のホテルで「日本陸連 アスレティックス・アワード 2021」の受賞者を発表した。女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)は、「サトウ食品日本グランプリシリーズ シリーズチャンピオン」の女子部門で女王に。強化費としてサトウ食品から100万円が贈られた。
今季は4月末の織田記念国際で自身の日本記録を0秒01更新する12秒96をマーク。33日後に12秒87で再び日本記録を更新した。6月末の日本選手権は大会史上最長ブランクとなる11年ぶりの優勝。東京五輪は日本勢21年ぶりの準決勝進出を果たした。この日の表彰式後は会見に出席し、こう語った。
「東京五輪の代表選考が4月29日の織田記念国際から始まるということで、そこからタイムを狙う、ポイントを取りに行くことを重要視してやっていた。陸上競技に復帰してから、娘と一緒にタイマーの前で写真を撮るのが一つの夢だった。それを叶えられる機会だったので、娘を呼んで撮っていただいた。本当に皆様のご尽力があって表彰式にも一緒に出席させていただいて、良い記念というか、また女性アスリートが子どもを産んで一緒に競技に取り組むという姿勢が、一つの形として見てもらえたんじゃないかなと思いました」
日本選手権3連覇など第一線で活躍したのち、怪我などを理由に23歳で一度は競技を引退した。14年に結婚し、長女・果緒ちゃんを出産。2年後に7人制ラグビーへ挑戦すると、19年に陸上競技へと復帰した。
「五輪後はいろんな方に声をかけてもらって、親戚が増えるという噂を聞いていたけど、本当だなと思いました(笑)。世界選手権と違った五輪の凄さを初めて経験させていただいた。五輪はいろんな方々が『果緒ちゃんのお母さんって五輪選手なんだ』とか、接するだけで喜んでくださる。皆様にとっても特別なものなんだと感じることができた。本当に出場して走っていることを見せられて、それで喜んでいただいて幸せだなと思いました」
この日は着物姿で出席。31歳でベテランの域にも入り「皆さんに年間の中で見ていただくのはユニホームかジャージ。正装を見てもらいたかった。若い選手はドレスが多いですが、優勝して重みを持たせたいなと(笑)。高かったけどレンタルしました」と説明。来年へ「世界選手権、アジア大会、(24年の)五輪と慌ただしくなっていく年。できないことが明確になっているので、一つひとつクリアしていきたい。来年は本厄なので体調にも気をつけていければ」と会見場の笑いを誘った。
(THE ANSWER編集部)