日本の勝利至上主義、トーナメント制、甲子園 ラグビー世界的名将エディーが全てを語る【THE ANSWER Best of 2021】
東京五輪の開催で盛り上がった2021年のスポーツ界。「THE ANSWER」は多くのアスリートや関係者らを取材し、記事を配信したが、その中から特に反響を集めた人気コンテンツを厳選。「THE ANSWER the Best Stories of 2021」と題し、改めて掲載する。今回は2月のラグビー・イングランド代表ヘッドコーチ(HC)エディー・ジョーンズ氏の「日本の勝利至上主義とトーナメント制の是非」。日本人の妻を持ち、東海大や日本代表などでも指導し、日本と深い縁で結ばれる世界的名将が日本のスポーツ界の課題について独自の視点で語った。(構成=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
「THE ANSWER the Best Stories of 2021」、エディー・ジョーンズが語る日本のスポーツ
東京五輪の開催で盛り上がった2021年のスポーツ界。「THE ANSWER」は多くのアスリートや関係者らを取材し、記事を配信したが、その中から特に反響を集めた人気コンテンツを厳選。「THE ANSWER the Best Stories of 2021」と題し、改めて掲載する。今回は2月のラグビー・イングランド代表ヘッドコーチ(HC)エディー・ジョーンズ氏の「日本の勝利至上主義とトーナメント制の是非」。日本人の妻を持ち、東海大や日本代表などでも指導し、日本と深い縁で結ばれる世界的名将が日本のスポーツ界の課題について独自の視点で語った。(構成=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
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日本では近年、勝利至上主義の是非について議論が沸いていると聞きました。各スポーツで採用されているトーナメント制が勝利至上主義を助長しているのではないか、という声も聞こえてきます。
大前提として、試合で負けたいと思う人はいないでしょう。誰もが勝ちたいと願っているはずです。そして、私は全国規模のトーナメントが開催されることは何の問題もないと思っています。各地の代表となったベストとされる選手たちが、互いに対戦するチャンスがあることは素晴らしいこと。さらなる成長にも繋がります。
ただし、大事なのは「選手が今、どのステージにいるか」ということ。小中学生のようなジュニア期の選手たちは、勝利よりも育成・成長にフォーカスが当てられるべきであり、そのためには日頃はリーグ戦を行いながら、学びの機会を増やしていくべきだと思います。
子どもたちが基本的なスキルを磨いたり、競技の楽しさを知ったりするためには、負けたら終わりのトーナメント戦よりもリーグ戦の方が適したスタイルです。勝っても負けても、子どもたちは何かを学びます。勝敗に対してどんなリアクションを見せ、対応するか。
この過程もまた、子どもたちを成長させますし、チームとしてプレーする醍醐味も知るでしょう。