シーズンMVPに輝いた古江彩佳 逆転女王へ、優勝だけを狙っていた「直ドラ」の気合い
女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)は28日、最終ラウンド(R)が行われ、2020年との統合シーズンで行われた今季全日程が終了。賞金ランク1位で迎えた稲見萌寧(都築電気)が初の賞金女王を獲得した。同2位で迎えた古江彩佳(富士通)は通算6アンダーで今大会3位に終わったが、試合ごとに獲得ポイントで決めるメルセデス・ランキングで1位(シーズン最優秀選手)になり、3年シードを獲得。29日には、来季米女子ツアー最終予選会出場のため、渡米する。
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ最終R
女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)は28日、最終ラウンド(R)が行われ、2020年との統合シーズンで行われた今季全日程が終了。賞金ランク1位で迎えた稲見萌寧(都築電気)が初の賞金女王を獲得した。同2位で迎えた古江彩佳(富士通)は通算6アンダーで今大会3位に終わったが、試合ごとに獲得ポイントで決めるメルセデス・ランキングで1位(シーズン最優秀選手)になり、3年シードを獲得。29日には、来季米女子ツアー最終予選会出場のため、渡米する。
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ホールアウトした古江に朗報が待っていた。賞金女王を手にできなかったが、メルセデス・ランキング1位の知らせだ。会見場に姿を見せると、スッキリした顔で言った。「メルセデス1位で終われました。そこをとらえてアメリカにいけるのは、良かったと思います」。自身へのご褒美を問われると、「好きな化粧品を買いたいです」と声を弾ませた。
賞金女王には届かなかった。稲見とは844万8474円差。今大会は、単独2位でも稲見が14位以下なら逆転のチャンスはあったが、ライバルは終盤に力を発揮して9位に入った。この時点で古江が逆転するには「優勝」しかなかったが、本人は最初から優勝だけを狙っていた。その表れで、2番パー5では、第1打のスイング中に着信音が鳴ったにも関わらず、ナイスショット。そして、フェアウェーからの第2打でもドライバーを握った。
いわゆる「直ドラ」だ。
「賞金女王になるなら、優勝しかないと思っていました。目標にしていたので、それは残念で悔しいですが、仕方ないです。(直ドラは)アゲインストでしたし、吹き上がらず前に飛ばすためにやりました。このシーズンで4度目ぐらいです」
最終戦で出場全40選手がそろった表彰式では、稲見に「賞金女王、おめでとうございます」と声を掛けた。東京五輪代表権争いに続いて敗れた形で、稲見を「強い選手」と表現。自身の今年については漢字1文字で「追」と記し、「調子が悪いところから始まり、追い上げることができたので」と説明した。
平均パット数でも稲見を制して1位(1.755)を獲得。シーズン6勝、海外メジャー大会アムンディ エビアン選手権で4位に入るなど、大きな飛躍も果たした。周囲が「常に何をすればいいのか、ベストな選択ができる選手」とうなるほどの「ゴルフ脳」の高さは、今後も大きな武器になる。153センチの小さな体で無限の可能性を持つ21歳は、来季は米ツアーで戦うべく、12月2日からの最終予選会に臨む。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)