桐生祥秀、新種目“50m走”に込めた願い 速さ体感の小学生は驚愕「クラスで自慢する」
根底にある思い「スピード感を味わってもらうのは現役しか」
東京五輪でいろいろなことを感じたと話す桐生。50メートル走企画の最初の一歩には、自らが17年に日本人初の9秒台(9秒98)を叩き出した福井を選んだ。「自分としてもこの地は特別。福井の皆さんが急ピッチでやってくれたのでこの企画ができたと思う」。根底にあるのは、現役選手だからこそ伝えたい思いだ。
「皆さんも運動会で50メートルを走ったことはあると思う。100メートルに出ようと思うと、本当に真剣にいかないといけない。でも50メートルだと、見に来たお客さんとかでも子供と走ってみようとか、『子供・お父さん・子供・お父さん・桐生』とかも思い出になると思う。
現役のうちに何ができるかというと、スピード感を味わってもらうのは現役しかできない。そうなると大会かなと。せっかくだったらスターティング・ブロックなしで、靴も自由で、ルールだけ決めてやるという形にしようと」
誰もが親しみやすい50メートルの距離で、競技や年代の垣根を取り払えるルールを設けた。「後々は自分がいなくても、地方などで大会のルールでやってもらえるようになったらいい」。50メートルは、100メートルなどと走り方も違うと感じており「どうなるんだろうという楽しみもある」と笑う。
他競技の選手の触れ込みで“50メートル○秒○の俊足”などの記載が見られることがあるが、陸上短距離のトップ選手並みに本当に速いのか、疑問の声が上がることも少なくない。「そういうのは、じゃあ一緒に走って勝負しようよと。ちゃんと測れるし、そういうのも楽しいかなと。まず1本目の実現ができたのでよかった」と桐生。今後どのような広がりを見せるのか、チャレンジの行方を見守りたい。
(THE ANSWER編集部)