WBSSシーズン3は初の女子大会 主催者が独占激白、最強決定戦を開催する目的とは?
ボクシングのWBAスーパー&IBFバンタム級世界王者・井上尚弥(大橋)が世界的に一気に知名度を高めた舞台としても知られるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)。井上が判定勝利を収めたWBC同級世界王者のノニト・ドネア(フィリピン)との2019年バンタム級大会決勝は海外メディアで年間最高試合に選出される伝説の名勝負となった。あれから2年の月日が経ち、新シーズンの開幕が正式決定した。
WBSSプロモーター、カレ・ザワーランド氏をインタビューvol.1
ボクシングのWBAスーパー&IBFバンタム級世界王者・井上尚弥(大橋)が世界的に一気に知名度を高めた舞台としても知られるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)。井上が判定勝利を収めたWBC同級世界王者のノニト・ドネア(フィリピン)との2019年バンタム級大会決勝は海外メディアで年間最高試合に選出される伝説の名勝負となった。あれから2年の月日が経ち、新シーズンの開幕が正式決定した。
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これまでは数々の男子の名王者を輩出してきたWBSS、今回は女子のスーパーフェザー級大会のみの開催となるという。なぜ、大会初となる女子大会の開催に踏み切ったのか。WBSS創設者で大会プロモーターを務めるカレ・ザワーランド氏が「THE ANSWER」の単独インタビューに応じ、その理由を語った。(取材・THE ANSWER編集部)
◇ ◇ ◇
――WBSSシーズン3開幕が発表されました。そもそもWBSSを創設した理由を教えていただけますか?
「最初にWBSSを創設した際の我々のゴールは、ベスト対ベストを実現するものでした。惑星最強決定戦です。現在のボクシング界は一般のスポーツファンには少しわかりにくい構造になっています。多くの団体が様々なベルトを作って、チャンピオンという肩書きの持ち主が溢れています。誰が階級最強のボクサーなのか、それを可視化できるフォーマットを生み出すことが目標でした。そして、2017年3月にニューヨークでWBSSのローンチを発表し、6月にモンテカルロでスーパーミドル級とクルーザー級のお披露目を行い、16人の偉大なるファイターと、7人の王者が集結したのです。ファンタスティックな船出でした。
シーズン2までを通じてボクシング界に、シンプルですが、強烈なメッセージを投げかけることができました。ボクシング界には主要4団体が存在する中で、この階級で一体誰が最も強いのか、そこを明確にできました。特にシーズン2は偉大な決勝戦ばかりになりました。イノウエ対ドネアを筆頭に、スーパーライト級のジョシュ・テイラー対レジス・プログレイス。そして、クルーザー級のマイリス・ブリエディス対ユニエル・ドルティコス戦。いずれも名勝負になりました。階級最強のボクサーを決めるという目標は達成できていると、手応えを感じています」
――日本のみならず、海外のボクシングファンの支持を集めました
「ファンが求めているのは、誰が最強なのかということです。他のスポーツでは明確なものが、なぜボクシングではこんなにも不透明なのか。そんなに複雑にすることはありません。シンプルに最強を決める。それが我々の大会の成功の証で、今後も継続していく理念です」
――そしてシーズン3が開催されます。今回はどの階級の最強王者決定戦が行われるのでしょうか?
「まずはスポーツ界の現状を見てみましょう。現在新型コロナウイルスでパンデミックの真っ只中で、すべての競技に影響を与えています。その中でも、ボクシングはシンプルなスポーツです。メインカードを中心に、1つのイベントに集約することができますから。世界的なビッグイベントを開催することは困難でしたが、それでも、コロナ禍でもボクシングは比較的、機能していたと思います。しかしWBSSは1回限りのイベントではありません。トーナメントであり、シーズン制なのです。しかも、国を跨いで行われます。
そこで、シーズン3のプランニングには多くの時間を費やしました。男子で様々な階級も検討しました。ヘビー級、ミドル級……。そんな中、個人的にコロナ禍で女子ボクシングの試合を観戦する機会も増えました。女子の世界でも名勝負がありました。ナターシャ・ジョナス対ケイティ・テイラー戦(※女子世界ライト級4団体統一戦)など、ファンタスティックな試合がありました。そこで、我々はこれまでの2大会で男子のチャンピオンに創出したチャンスを、女子にも提供したい。そう考えるようになりました。そして、今回は大会史上初の女子階級で、階級は130ポンド(スーパーフェザー級)に決定しました。現在プロモーター、開催地、放送局のパートナーと調整を進めています」