V8寺地拳四朗「負けたら人生終わりだった」 飲酒騒動から復帰、会見でも涙で心境告白
ボクシングのWBC世界ライトフライ級(48.9キロ以下)タイトルマッチが24日、大阪・エディオンアリーナ大阪で行われ、王者・寺地拳四朗(BMB)が挑戦者の同級1位・久田哲也(ハラダ)に3-0で判定勝ちし、8度目の防衛に成功した。日本ジム所属の世界王者では歴代6位タイの連続防衛。飲酒トラブルによる処分明け最初の試合で強さを見せた。戦績は29歳の寺地が18勝(10KO)、36歳の久田が34勝(20KO)11敗2分け。観衆は2200人。
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
ボクシングのWBC世界ライトフライ級(48.9キロ以下)タイトルマッチが24日、大阪・エディオンアリーナ大阪で行われ、王者・寺地拳四朗(BMB)が挑戦者の同級1位・久田哲也(ハラダ)に3-0で判定勝ちし、8度目の防衛に成功した。日本ジム所属の世界王者では歴代6位タイの連続防衛。飲酒トラブルによる処分明け最初の試合で強さを見せた。戦績は29歳の寺地が18勝(10KO)、36歳の久田が34勝(20KO)11敗2分け。観衆は2200人。
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寺地が王座を死守した。2回、互いの拳が交差したタイミングで右が炸裂した。顎を捉えてダウンを先取。猛然と圧力をかける久田に対し、距離を取りながら的確にパンチを当てた。9回には久田がコーナーに追い詰めてラッシュをかけたが、寺地がうまくかいくぐり、タイミングのいいワンツーでダメージを蓄積させた。11回は本来の打たせずに打つスタイルを見せてペースを掌握。最後は死に物狂いで向かってくる挑戦者をいなした。
両者は昨年12月に対戦予定だったが、寺地の飲酒トラブルが公となって延期に。王者は3か月のライセンス停止処分、6か月で48時間以上200時間以内の社会貢献活動を日本ボクシングコミッション(JBC)から義務付けられ、19年12月以来1年4か月ぶりとなる“みそぎ”のリングだった。
寺地はリング上のインタビューで「ボクシングを続けられて本当に幸せ」と涙。その後の会見でも心境を問われると「なんかいろいろ不安とかあったんだなって。また……うぅ~」とタオルに顔をうずめた。普段はひょうひょうとしたキャラクター。大粒の涙を流して感情を露わにし、こう語った。
「なんだかんだ不安やったんだなって思ったし、その中でたくさんの方に支えられてここまで来られたんやなって改めて思いました。(久々にボクシングができて)本当に楽しかったし、応援してもらえたし、ボクシングの試合が終わってこんなふうに思ったことがなかったので、それだけボクシングが好きになれたのかなと思います」
不安があった理由について「負けたら人生終わりでしたからね。とりあえず負けられない気持ちでした。覚悟はありました。負けたらそうなるのは前から。事件があったから余計にそういう気持ちが強かったです」と吐露。「良く言えば成長できたと思う。メンタル的にも成長できた」と振り返った。
久田は引退を表明。伝え聞いた寺地は「僕がご迷惑をおかけした。本当に強い選手だと思う。久しぶりに気持ちの強い選手でした」と称えた。今後の目標は具志堅用高の日本記録13連続防衛と4団体統一。「僕は防衛回数を伸ばすだけ。他団体も全部獲る予定なんで。チャンピオンなら全員やりたい。2つ獲ったって意味がない。中途半端ですし、全部獲らないと」。日本人の現役世界王者最多の連続防衛を誇る29歳。強さを増した王者が帰ってきた。
(THE ANSWER編集部)