リオで芽生えた“友情” 荒井とダンフィーが示す一流のスポーツマンシップ
閉会式で実現したツーショット写真の撮影、「自然と撮らせてもらいました」
カナダテレビ局「CBC」によると、ダンフィーはレース直後も地元メディアに対して「彼は僕と同じ苦しみの世界にいた。彼は僕の肩に軽く触れた。僕はアグレッシブな競歩選手だから、彼にもたれかかるようなこともあったかもしれない。自分が最後にビデオを見た時に、自分自身にそう(故意の接触だったとは)言えなかった。自問自答せざるをえなかった。もしも、自分がこのメダルを手にしたとしても、誇りに思えるのだろうか、悩まずに眠りにつくことができるのだろうかと。正直、彼の達成したことも奪うことはできない。そう決断したんだ」と、コーチ陣が検討していたというスポーツ仲裁裁判所(CAS)への異議申し立てに踏み切らなかった理由を明かしていた。
2人は閉会式で再会し、ツーショット写真の撮影が実現した。荒井とダンフィーが笑顔を浮かべて写った一枚はツイッターで公開され、感動を呼んだ。
「ピンの交換をしたりして、写真も一緒に撮ろうよっていう形で、自然と撮らせてもらいました。本当に素晴らしい選手と一緒に勝負することができて、本当にいいオリンピックでした。また4年後の東京オリンピックでも一緒に戦って、今度はぶつからないようにして、ゴールまで正々堂々と勝負ができたらいいなと思います」
最後は冗談交じりの一言も加え、会場の笑いを誘った荒井。リオ五輪に刻まれるエピソードを残し、4年後の東京五輪でダンフィーと再戦することを誓っていた。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer