東京五輪で引退・野口啓代 開催不透明でも貫く意志「延期も中止も決まっていない」
スポーツクライミングのボルダリング・ジャパンカップは30日、東京・駒沢屋内球技場で予選が行われた。東京五輪代表の野口啓代(あきよ・TEAM au)は5位で予選通過。五輪で現役引退を公言している第一人者の31歳は、変わらず競技で結果を残す姿勢を見せた。
ボルダリング・ジャパンカップが開幕
スポーツクライミングのボルダリング・ジャパンカップは30日、東京・駒沢屋内球技場で予選が行われた。東京五輪代表の野口啓代(あきよ・TEAM au)は5位で予選通過。五輪で現役引退を公言している第一人者の31歳は、変わらず競技で結果を残す姿勢を見せた。
野口は2021年初戦で上々の滑り出しを見せた。全5課題のうち4完登。2つ目の課題は完登できなかったが、最初と4つ目は1トライ目で完登する「一撃」を決めた。第1回大会から16回連続出場。9連覇を含む11度優勝を誇る思い出深い大会だ。東京五輪延期が決まっていなかった昨年大会は2位。「去年も最後だと思って出ていた。今年も最後だなと(笑)。凄い不思議な感覚ですね」と心境を明かした。
スポーツクライミングが五輪追加種目候補に採用された16年、東京五輪を競技人生のゴールに設定。東京五輪が開催されなければ、長年の夢がなくなってしまう。「最近の状況だと(開催が)不安視されて私自身も不安」と吐露。「でも、延期も中止にもなっていないので、できることを精一杯やりたい」と前を向いた。
この日は無観客で開催。拍手や場内実況もなくなり、淡々とした雰囲気で進行され「凄く寂しい。(選手が)他の選手にも応援できない」と振り返った。東京五輪も無観客案が出ている。野口は無理に有観客を要望しているわけではなく、コロナ禍で難しい状況を理解しながら「もちろん、たくさんいた方が気合が入る。できれば観客のいる状態で試合をしたい。いつか声援が戻ってくると信じて頑張りたい」と本音を滲ませた。
31日の準決勝、決勝へ「一戦、一戦を大切に」と集中。YouTubeで生配信されるため「ライブ中継でも楽しいと思ってもらえるようにしたい。もちろん、結果に100%重きを置いています」と力を込めた。
(THE ANSWER編集部)