テニス全豪OP選手入国問題で国民が怒り「非常に腹立たしい」「心無い経済的決定」
新型コロナウイルス感染に収束の兆しが見えない中、来月行われるテニスの4大大会・全豪オープンに出場する選手、スタッフらの入国を巡り、オーストラリア国内で波紋が広がっているという。英公共放送「BBC」が「テニス選手たちの到着が、足留めを食らっているオーストラリア国民を怒らせる」と特集し、現状についてレポートしている。
入国制限で帰国できない国民多数も…英公共放送BBCが現状をレポート
新型コロナウイルス感染に収束の兆しが見えない中、来月行われるテニスの4大大会・全豪オープンに出場する選手、スタッフらの入国を巡り、オーストラリア国内で波紋が広がっているという。英公共放送「BBC」が「テニス選手たちの到着が、足留めを食らっているオーストラリア国民を怒らせる」と特集し、現状についてレポートしている。
記事によると、オーストラリアは現在、国際線の到着本数に上限が設けられ、到着後は指定の施設で隔離される必要がある。そのため、豪メディア「ABCニュース」は帰国を待つオーストラリア人は3万7000人に及ぶと伝えており、多くの人が帰国は困難に。そんな中で行われる全豪オープンについて大会側は出場する選手、スタッフのためにチャーター機を用意しているという。
選手たちは搭乗前に新型コロナウイルスが陰性である証明が必要で、入国後はメルボルンとアデレードにある大会指定の隔離ホテルに入る段取り。ただ、男子の世界ランク50位テニーズ・サンドグレン(米国)は事前に陽性判定が出たにも関わらず、大会側から豪州行きのフライトに搭乗許可が認められ、注目を集めた。多くのオーストラリア人が帰国を待つ中で自国民を軽視したとも取れる対応は、非難を呼ぶことになったという。
「BBC」の取材に対し、シドニー出身でエッセンシャルワーカーとしてロンドンに住む女性は「ある週には上限を半分にすると発表し、その翌週にテニス選手やスタッフ1200人のためのスペースを見つけたと発表する事実を理解することはできません」と不満の様子。この女性は10月からシドニーへ戻ろうとしているが、いまだ叶わず。最近のフライトもキャンセルになったばかりだという。
英ケンブリッジ在住のアリーゼ・ブラウン博士は2月にシドニーへ向かうフライトを予約。「オーストラリアに、人々を故郷へ戻す手段があることは明らかです。ただ、彼らにそれを実行する政治的意思が欠けており、その事実が非常に腹立たしいのです。心無い経済的な決定であり、我々にとって、テニスはただ単に政府が我々よりも優先した他の人々というだけのことです」と憤りを露わにしたという。
記事では、ツイッターで「#strandedaussies(取り残されたオーストラリア人)」というハッシュタグが広がり、この問題に対する意見が拡散されていることも紹介。また、12月に豪放送局「セブン」のインタビューで、スコット・モリソン首相は国外のオーストラリア人について「国内に戻ってくる人々の中で最優先だ」と語っていたという。
(THE ANSWER編集部)