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【名珍場面2017】暴走寸前から奇跡のサヨナラ生還― 「小さな巨人」の“9.9秒の神走塁”に米騒然

予期していなかったヤンキース守備陣、果敢な積極性が生んだ守備のほころび

 打者が打ってから、アルトゥーベの本塁生還まで、わずか9.9秒。劇的なシーンをFOXスポーツも「なんて結末なんだ」などと公式ツイッターにつづり、動画付きで紹介。VTRでアルトゥーベの走塁を振り返ると、常識的にいえば、長打警戒している外野陣形で一塁走者が本塁を狙うのは無謀に思えるが、三塁コーチャーも迷わず腕を回している。

 このチャレンジはヤンキースも予期していなかったのだろう。二塁手は打者走者のアウトを狙って二塁ベースに中継に入っていた。結果的に捕球した右翼手ジャッジから本塁まで直線的な中継プレーにならず、二塁手は慌てて本塁に送球。そして、タイミングはアウトにも思われたが、捕手サンチェスがボールをこぼすというミスも生まれた。

 今見ても鳥肌モノの幕切れ。アルトゥーベは今季、右打者ながら打ってからの一塁到達3秒33の驚異の“MLB記録”を打ち立てるなど、メジャーNO1クラスの俊足として知られている。この1勝で2連勝と勢いに乗ったアストロズは同シリーズを4勝3敗で突破。さらにワールドシリーズでもダルビッシュらを擁するドジャースを4勝3敗で破り、初の世界一に輝いた。

 アルトゥーベは今季、打率.346で2年連続首位打者を獲得し、24本塁打、91打点をマーク。初のリーグMVPを受賞するなど、輝かしい一年となった。走攻守、どれをとっても超一流の「小さな巨人」から、目が離せそうにない。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer


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