体操男子団体金メダルの裏に“逆転の発想” 見出した新たな勝ちパターン
リオデジャネイロ五輪体操男子団体決勝で、日本が274.094点で、04年アテネ五輪以来3大会ぶりとなる金メダルに輝いた。4位通過の予選から挽回し、終わってみれば2位ロシアに2.641点差の圧勝。
不利なローテーションを逆手に取ったコーチの言葉
リオデジャネイロ五輪体操男子団体決勝で、日本が274.094点で、04年アテネ五輪以来3大会ぶりとなる金メダルに輝いた。4位通過の予選から挽回し、終わってみれば2位ロシアに2.641点差の圧勝。メダルにつながったのは逆転の発想だった。
決勝のローテーションは、予選の成績で決まる。アテネ五輪、グラスゴー世界選手権。近年の日本が団体を制したのは、予選1位と2位のチームが行う床から始まって鉄棒で終わる「正ローテーション」だった。得意な床で一気に流れに乗り、鉄棒でラストスパートする。内村が「(予選首位通過でなければ)金の可能性は半分消える」と言っていたほどだった。
4位通過の日本は、苦手なあん馬からスタート。コナミスポーツで内村らを指導する森泉貴博コーチは、不利なローテーションを逆手に取り、「(3種目目の)跳馬まで耐えれば勝てるぞ」と選手を送り出した。序盤2種目で粘った分、跳馬以降の4種目は各々が15点台以上を連発する爆発力があった。
内村は「あん馬からはすごくしんどい。このローテでやれたのは今後の糧になるいい試合になった」。新たな勝ちパターンを見つけられたのも、3大会ぶりVの大きな収穫だった。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images