「元プロ野球選手」の星に― 元DeNA細山田武史、社会人で“日本一2冠”の価値
渡辺俊介、中田亮二ら在籍…社会人野球にとっても価値ある“元プロの移籍”
1年目から早大の先輩でもあるエース・佐竹功年とバッテリーを組み、7月の都市対抗で優勝。プロ野球では果たせなかった日本一をいきなり成し遂げた。古巣のDeNAの試合観戦に訪れるなど、かつての仲間に刺激を受け、今年は社会人侍ジャパンに選ばれ、10月のアジア選手権に出場。そして、今回の日本選手権制覇――。社会人野球の頂点を極め、再び輝きを放っている。
近年はプロ野球で活躍した選手が社会人野球でプレーする例は少なくない。“サブマリン”の愛称で知られ、WBCの優勝メンバーでもある元ロッテ・渡辺俊介は新日鉄住金かずさマジックに在籍。ほかにも、元中日の巨漢スラッガー・中田亮二はJR東海、元巨人・加治前竜一は三菱日立パワーシステムズ横浜など、多くの「元プロ」が新たな舞台で白球を追っている。
選手にとって一概にいい面ばかりではないが、都市対抗、日本選手権はプロ野球に負けない動員力を誇り、大歓声でプレーできる。企業によっては正社員で受け入れるという場合もあるという。社会人野球にとっても、不況のあおりでチーム数は減少する中、元プロ選手から技術を還元されるという点では、レベルと認知度の向上の点でも価値がある“移籍”といえるだろう。
今年もプロ野球は戦力外シーズンがひと段落。15日には合同トライアウトも行われ、結果的に第二の人生を“企業野球”に捧げる選手も出てくるかもしれない。細山田は「元プロの星」として新たな道を示している。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer