渡邉彩香、1702日間の苦悩 飛ばし屋がドライバーを捨てた日「一番好きなクラブを…」
気持ちよく振って手にした復活「今週は優勝できなくても凄く楽しかった」
飛ばし屋が、一番ボールを飛ばせるクラブを使わない。それほど迷っていた。「自分に何が残るんだ」と思うほどの武器を手放す決断。少し時間を置き、悪いイメージから離れた。再びドライバーと戦う選択肢をとって以降は、さらに上体が突っ込む悪癖を修正。インパクトまでその場で回転できるように意識してクラブを振り込んだ。
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「もともと(右に曲げる)フェードヒッターなので、フェードボールの徹底をこのオフに取り組んで、どんな場面でも『しっかり左に出して、右に曲げる』というふうに打てるよう、スイングを一から見直した。コースでプレッシャーがかかる場面でも、左に出して右に曲げるフェードボールが打てるということを徹底的に練習してきました」
スイングの感触が少しでも気持ち悪ければ、コーチに向かって素直に吐きだした。目指したのは、心も体も満足できるスイング。感触について、今大会第2日には「まだ結果に繋がる感じではない」と話していたが、理想を追い求めた。結果的にタイトルがついてきた。
今大会はラフが深く、曲げてはいけないホールもある。それでも、豪快にドライバーを振り抜く姿が甦った。「今週は凄く気持ちよくドライバーを打てました。それが嬉しかったです」と声を弾ませた。そして、ゴルフに対する思いを問われると、胸を張ってこう言葉を並べた。
「ここ数年、ゴルフが凄く苦しい時期があったので、凄く楽しかったです。自分の好きなドライバーを気持ちよく打って、それがこうやって結果に繋がって……。今週は優勝できなくても凄く楽しかったと思いますが、それに優勝がついてきてくれたので、最高の気持ちです」
コロナ禍で万全の感染対策の下、開催された特別な開幕戦。苦しみから抜け出した26歳の渡邉にっても、特別な4日間となった。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)