タイソンの“91秒KO”は「ボクシング史上最も輝いた夜」 元参謀が絶賛した21歳の衝撃
「あの夜は今までリングに上がってきたどのファイターよりも素晴らしかった」
当時スピンクスは31戦無敗。飛ぶ鳥を落とす勢いだったタイソンといえど、「試金石」となる一戦だと目されていた。だが、ワンサイドのKO勝ち。タイソンの強さだけが際立った試合を「あの夜、タイソンは今までリングに上がってきたどのファイターよりも素晴らしかった」と「ESPN」の情報番組「スポーツセンター」での91秒間のその試合の映像を振り返りながら、アトラス氏は語っているという。
「最高の自信、パワー、アグレッシブさを兼ね備え、指揮官のようなスマートさを持っていた。最初に彼が決めたダウンはアッパーカットだ。それで彼は突破口を見つけ出し、ボディーショットを打つために十分すぎる冷静さを保っていた」
アトラス氏は改めてこう回想しながら、さらに続けて「彼はスピンクスの最高の一打が右であることを知っていた。だから彼はそれに対して準備していたし、自分の右カウンターで対応していたんだ。これが『知性』というものだよ。それが詰まっていたあの夜は今までリングに上がってきたどのファイターよりも素晴らしかった」と振り返っているという。
スピンクスはこの初めての黒星をきっかけに引退。一方のタイソンもこの2年後、東京ドームで行われたジェームス・ダグラス(米国)戦で初黒星を喫している。
(THE ANSWER編集部)