“国内最速”一山麻緒の育て方 60歳ワコール監督が考える、イマドキ22歳との関係性
残り1枠の東京五輪代表切符を争う名古屋ウィメンズマラソンが8日、ナゴヤドーム発着の42.195キロで行われ、一山麻緒(ワコール)が2時間20分29秒で初優勝。1月の大阪国際で松田瑞生(ダイハツ)が記録した2時間21分47秒を上回り、東京五輪女子マラソン最後の代表に内定した。2013年の木崎良子(ダイハツ)以来、7年ぶりとなる日本人優勝。タイムは日本人歴代4位。2003年の大阪国際で野口みずき(グローバリー)が記録した2時間21分18秒を上回り、同国内最高記録となった。永山忠幸監督は“国内最速”ランナーとなった一山をどう育て上げたのか。入社からこれまでを語った。
ワコール永山監督語る、一山は入社時から「競技者として素晴らしい資質ある」
残り1枠の東京五輪代表切符を争う名古屋ウィメンズマラソンが8日、ナゴヤドーム発着の42.195キロで行われ、一山麻緒(ワコール)が2時間20分29秒で初優勝。1月の大阪国際で松田瑞生(ダイハツ)が記録した2時間21分47秒を上回り、東京五輪女子マラソン最後の代表に内定した。2013年の木崎良子(ダイハツ)以来、7年ぶりとなる日本人優勝。タイムは日本人歴代4位。2003年の大阪国際で野口みずき(グローバリー)が記録した2時間21分18秒を上回り、同国内最高記録となった。永山忠幸監督は“国内最速”ランナーとなった一山をどう育て上げたのか。入社からこれまでを語った。
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鹿児島・出水中央高時代は目立った実績のなかった一山。永山監督は「一山君が京都に足を運ぶまで、一度も走りを見ていない」という。ただ、マラソンで五輪に出たいという高校2年時代の一山の思いをスカウトから伝え聞き、「それだけの思いがあるなら育てなければならない」と採用を決めた。4年前の入社直後、練習や普段の生活を見る中で「すごく素直で、マラソン選手というより競技者として素晴らしい資質があると思った」とすぐに感じた。「(永山監督の)5回目の五輪はマラソンで君で行くよ」と約束するほど期待していた。
ただ、指導が思ったようにいかない時期があった。厳しい練習を積んでも、1位を狙ったレースで取れない。「勝たせてあげられない時期に『何で勝てないんだ』というジレンマがあって、彼女もなんで『こんなに苦しい練習をしているのに勝てないの?』と」。あるレースでは、監督からの「前に出ろ」という指示の解釈で食い違い。勝負をかけて突き放せという意図だったが、一山はただ前に出ればいいというとらえ方をしたという。「『何やってんだ』と。ボタンの掛け違いで、ちょっとギクシャクしてました」と当時を思い出して苦笑いを浮かべた。
「今は私を含めて指導者が、なかなか選手とうまくコミュニケーション取れない。選手も怖がって話かけてこないし、我々もどちらかというと上から目線でかぶさってしまう。そこが一番、選手たちがメンタル的に成長できない部分なのかなと思う」と一山に限らず、指導をする中で感じていたという。時代に沿った関係性はどういったものなのか、見つめ直してある答えに行きついた。