井上尚弥攻略へ、パッキャオの腹心だったトレーナーが語る「追撃許してはならない」

　ボクシングのWBAスーパー＆IBF世界バンタム級王者・井上尚弥（大橋）は、4月25日（日本時間26日）に米ラスベガスでWBO王者ジョンリエル・カシメロ（フィリピン）と3団体統一戦を行う。6階級制覇王者マニー・パッキャオ（フィリピン）の腹心を務めてきたトレーナーのノノイ・ネリ氏は打倒モンスターに2つの条件を挙げ、スパーリング相手に“仮想モンスター”を用意。フィリピンメディア「ラプラー」が報じている。

　英雄パッキャオをアシスタントトレーナーとして長年支えてきたネリ氏は9日、米マイアミ合宿中のカシメロと合流予定。ラスベガス決戦に向けた総仕上げを行うことになる。ネリ氏は「試合のテンポをイノウエにコントロールさせないことが鍵だ」と無敗王者のモンスター攻略条件を挙げたという。

　さらにネリ氏は「彼（カシメロ）はイノウエにビッグショットと追撃を許してはいけない。注意力が散漫になることなく、彼にはこの試合に臨ませるつもりだ」と持論を展開。そして、米国合宿にはスパー相手として“仮想モンスター”を同伴させるつもりだという。

　選手の名はWBOバンタム級オリエンタル王者のビンセント・アストロラビオだ。「アストロラビオはイノウエと同じ身長だ。しかも、強いし、速い」とネリ氏は説明している。プロ15勝（11KO）3敗の22歳。同じフィリピン出身で身長は165センチと井上と変わらない。18年7月にはパッキャオの前座に登場し、ストロング小林佑樹（六島）に4回TKO負けしている。

　米国で周到な準備を整えるカシメロ陣営。名参謀と仮想モンスターも参戦し、3団体統一に向けて万全な体制を整えている。