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なぜ日本人に好記録が連発したのか 選手、陸連が感じた「必然」の高速レースの要因

残り1枠の東京五輪代表切符を争う東京マラソンが1日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)が日本人トップとなる2時間5分29秒の4位でフィニッシュ。自らの日本記録を更新した。2時間7分台以内をマークした日本人が10人も出た今大会は、選手の努力と話題の厚底シューズによる「必然」の高速レースだった。

新厚底シューズだけじゃない好記録の要因とは…【写真:荒川祐史】
新厚底シューズだけじゃない好記録の要因とは…【写真:荒川祐史】

2時間7分台以内に日本人選手10人、井上は群雄割拠予感「3強、4強の時代は終わった」

 残り1枠の東京五輪代表切符を争う東京マラソンが1日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)が日本人トップとなる2時間5分29秒の4位でフィニッシュ。自らの日本記録を更新した。2時間7分台以内をマークした日本人が10人も出た今大会は、選手の努力と話題の厚底シューズによる「必然」の高速レースだった。

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 新型コロナウイルスの影響を考慮し、エリートの部約200人のみの参加という厳戒態勢。大迫、設楽悠太(ホンダ)、井上大仁(MHPS)の“3強”が注目された今大会は、異例のハイペースとなった。20キロ地点を先頭集団は58分41秒で通過。この時点のゴール予想は、従来の日本記録を2分以上も上回る2時間03分48秒。第2集団も日本記録を上回るペースだった。井上は32キロ地点まで日本人トップも、大きく失速して26位。設楽も16位に終わる中、多くの日本人選手が好成績を記録した。

 高久龍(ヤクルト)が2時間10分3秒の自己ベストを大幅に更新する2時間6分45秒をマーク。全体8位で日本人2位に食い込んだほか、上門大祐(大塚製薬)も自己ベストを2分以上更新して2時間6分54秒で全体9位。2時間6分台を2人が叩き出し、7分台も7人の日本人選手が記録した。井上は「3強、4強の時代は終わりましたね」と群雄割拠の時代到来を実感していた。

 高速レースの要因の1つと考えられているのが、大会前から話題を呼んでいた厚底シューズだ。大迫、井上が超厚底のナイキ製「エアズーム アルファフライ ネクスト%(αF)」を使用したほか、多くの選手が厚底シューズを使用していた。その効果について、大迫はこう語っている。

「レース毎に終わった後の感じというのは違うので、どれだけシューズの効果があったかというのはちょっとまだ言いにくいところではあるんですけど。やはりナイキの新しい技術を使えるというのは非常に僕らにとって強みですし、今後、終わってから考える時間の中でどれだけこの靴というのが助けてくれたのかを考えていきたいと思います」

 日本陸連も、新シューズの効果を認める。瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが「シューズに関して、進化は仕方なく、前よりも記録が良いのは必然」と話せば、河野匡・強化委員会長距離マラソンディレクターは「地面に接するのは足しかない。シューズが良いか悪いかで言ったら大きい。武士が『刀が斬れるか斬れないか、どっちがいい?』というのと一緒。選手の素直な心理だと思う」と選ばれるべくして厚底シューズが選ばれたと分析した。

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