50年ぶり優勝に揺れたスーパーボウル 2人のカメラマンが撮影した「熱狂の1日」
エンドゾーンの席から撮影していたベロ氏の3枚の写真
【アル・ベロ氏の総括】
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「私の撮影ポジションは、フィールドの両端にあるエリアであるエンドゾーンの席だった。NFLから承認されているチケットを購入し、列に座った時に、そこはとても見晴らしの良いポイントだと感じた。固定された位置にいたので、多少動きには制限があったが、この試合を自分らしく撮影することができるのかや、起こりうる試合の動きを考えながら、いつものように撮影準備を整え、これから始まる大舞台に備えていた。
1996年以来、多くのスーパーボウルのシーンを撮影してきた。果たして何回撮影したかについては分からないが、たくさん撮影してきたことは間違いない。今年の試合はとても良いものだったと感じる。時に少し杜撰なシーンもあったが、チーフスがゲームの終わりに劇的な追い上げをしたことで、一気に観衆の興奮は増したと思う。チーフスはすべてのプレーオフゲームで勝つために追い上げをしてきていたので、今回の試合においても同じことが起こるだろうと期待はしていた」
「この写真は、エンドゾーン座席のフィールドの反対側から600mmのレンズで撮影をした。トロフィー贈呈セレモニーの全シーンを撮るために、少し緩く撮影することを心掛けた。近距離の写真を撮っているカメラマンがいることを知っていたので、何が起こっているかが分かるような、異なる見え方で撮影したかったのだ。トロフィーにキスをする選手を収められたのも、ポイントだ。事前に予測していたからこそ、このような写真を撮影できたと感じる」(ベロ氏)
「ゲーム終了の直後、選手たちは私のいるエンドゾーンにめがけて走って来て、勝利を祝い始めた。写真に映る彼の顔から流れる汗が、喜びの涙のように見えるのがとても印象的だ。熾烈な戦いを終え、優勝を手に入れた彼の喜びが大変伝わってくる。その瞬間は一瞬だったが、彼を狙っていたからこそ撮影ができたと思う」(ベロ氏)
「これは非常に大胆なビッグプレーだった。チーフスのサミー・ワトキンスは、49ersのリチャード・シャーマンを、65ヤードゲインのような『アップアンドイン』パスルートと呼ぶプレー方法で、打ち負かした。ワトキンスはプレーオフの試合の1週間前からシャーマンのプレーを徹底的に研究しており、彼を打ち負かした。非常に激戦だった第4Qでこの特有のプレー方法を実行したため、会場のボルテージも上がっていた。
その後も彼らは決して下を見ることなく果敢に攻め、スーパーボウルで優勝した。私はフィールド上にはいないが、座っている場所からでも、こうしたビッグプレーを撮影できるように準備していた。常に集中してこのようなシーンが起こることを想定していたので、見事撮影することができたのだ。今まで数多くの試合を撮影してきた私だからこそ切り取れた、経験が生んだ写真ともいえるだろう」(ベロ氏)
(THE ANSWER編集部)