奥原希望、世界の名勝負再び― ホームの利で宿敵撃破へ「自分のプレーに持ち込む」
179センチのプサルラのリーチか、156センチの奥原のフットワークか
ホームゲームでの再挑戦となり「シンドゥ選手が(奥原が優勝した)世界選手権の銀メダルで、先週も奥原と戦って勝っていて、彼女が奥原と対戦することを期待している人が多いだろうけど、良い意味で覆したいという気持ちで臨んだ」という三谷は、第1ゲームを先取して接戦に持ち込んだが、わずかに届かなかった。ファイナルゲームでマッチポイントを奪われてからも4連続得点で3点差まで詰め寄るなど意地を見せたが、1-2(21-16、15-21、17-21)で敗れた。
三谷は粘り強さを持ち味とする選手で、プサルラの強打にも食らいついたが、ネット前に落とした球をリーチの長い相手に巧みに返球されるなど苦しんだ。奥原らに置いて行かれたくない気持ちが強いという三谷は「手足が長いので、普通よりワンテンポ早く、厳しい球が返って来る。普通なら崩れてくれる場面でも崩れず、高く打ったはずの球が相手にとっては高くなかったりもした」と悔しがった。三谷が粘った分だけ、プサルラはスタミナをロスしたことになるが、2回戦は要注目だ。
身長179センチのプサルラは、急角度で打ち下ろすスマッシュとドロップが武器。前後に打ち分けられると厄介だ。一方、身長156センチの奥原は、フットワークを生命線とするタイプで、粘り強いラリーから勝負所をつかんで一気に決めに行く。クリアで相手をコートの奥に追いやってパワーを軽減させたり、ドロップやヘアピンなど急激に落ちる球で高い打点で打たれる可能性を減らしたりする工夫が必要になる。プサルラのリーチか、奥原のフットワークか。
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平野貴也●文 text by Takaya Hirano