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ベッツはなぜ小柄でも世界最高峰なのか 夜中に突然鳴る電話、ド軍コーチが知っている“才能以外”の理由

練習に励むベッツ。背後にいるのがクリス・ウッドワード一塁コーチ【写真:荒川祐史】
練習に励むベッツ。背後にいるのがクリス・ウッドワード一塁コーチ【写真:荒川祐史】

練習量だけではない上手くなるための努力

 空間認識能力のテストでも常にトップ。無駄のないスイングで確実にボールを捉えるベッツの能力を同コーチは「天賦の才」と評した。では、飛び抜けた才能を持たない子どもたちが参考にできることはないのか。

「もちろん生まれ持った才能は置き換えることのできないものだが、彼は平均的であることを許さない。彼が他と一線を画しているのはそのマインドセットなんだ。もし、全く同じ人間がいたとして、マインドセットが劣っていたら、その人はムーキー・ベッツにはなれない」

 同コーチは続ける。

「素晴らしい選手になるために、誰もが選択肢を持っている。他のみんながやろうとしないことを厭わずにできるかどうか。素晴らしい選手になりたいといいつつ、できること全てをやらない人は多い。競争相手がたくさんいる中で傑出するためには、他の人がやらないことや、他の人以上のことをやらないといけない」

 ベッツは常に成長への選択肢を妥協なく選ぶという。

 それはただ練習量だけの話ではない。課題を解決するために、使えるリソースは徹底的に活用する。「コーチも多くのことを求められるよ。彼はずっと答えを追い求めているからね。夜中に電話してきて、『これについてはどう思う?』『あれはどうすればいい?』と質問してくるんだ。常に正しい答えを求める好奇心を持っていて、取り憑かれたように練習する。彼は決して飽き足りることがないんだ」

 ある日の試合後の囲み取材、守備指標が昨年より向上している理由を米記者から尋ねられたベッツは「準備だ」と即答した。

「運動能力だけでなんとかしようとするのではなく、自分がやっていることの意図を認識してやっている。毎日早出して、懸命に努力しているんだ。成功するために、チームに貢献するために自分ができることをね」

 練習後にコーチらと熱く議論するのも少しでも上手くなるため。そのスタンスは日本の野球少年の成長のヒントになる。体は小さくとも、貪欲な向上心は誰よりも大きかった。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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