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球児の肘、肩を守るには― 広島の3連覇トレーナーが語る“野球現場のリアル”

“猛練習の広島”は今は昔「地獄のような練習はやっていない」

 アスレチックリハとはすなわち準備だ。広島の試合前の練習を見ていればよくわかるのかもしれない。一見すると地味だが、とにかく基礎的な動作を反復している。

「基礎的な体の動きの確認です。ぎりぎりのところを飛びついたり、そういった練習はうちのチームではあまりやっていないと思います。基本動作を反復させる。だからたくさん練習しても、怪我のリスクは低い。基礎ができていれば応用は利く。試合前の全体練習前に、一部の選手が特守をやることもあるが、それも基本動作です。難しい球、ほとんど打ってないんですよ」

 カープは伝統的に猛練習、長時間練習のイメージで知られている。確かに選手が球場にいる時間は長いが、しっかりと準備の時間に充てているからだ。

「地獄のような練習はやっていない。量は多いかもしれないが、基本動作の繰り返し。守備だけじゃなくてバッティングもです。それがカープの怪我が少ないことにもつながっているのではないでしょうか。基本的な体の機能を理解することが、チームに根付いています。未だにカープは猛烈練習と言われるが違います。アスレチックリハ、基本練習に時間をかけているだけです」

 そうして心身ともに強い集団を作り上げ、セ・リーグ3連覇へとつなげたのだ。

 準備の大切さは育成年代にも共通する。次回はアスレティックリハについての基本的な考え方とその位置づけについて、石井トレーナー部長が説明する。

(THE ANSWER編集部)

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石井雅也

1965年9月3日、広島県生まれ。株式会社広島東洋カープトレーナー部長、ヘッドトレーナー、日本プロ野球トレーナー協会会長。広島東洋カープ、エグザス治療院、JTサンダース、ピープル(現コナミスポーツ)競泳選手パーソナルトレーナー等を経て現在は広島東洋カープトレーナー部長。選手たちの体を支え、2016年からのリーグ3連覇に大きく貢献する。

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