身長164cm、一番小さなプロ野球選手からの贈り物 滝澤夏央が少年少女へ伝える「この体だからできること」
西武の20歳、滝澤夏央内野手は身長164センチ。現在のプロ野球界で最も小さな選手だ。2022年に育成ドラフトで入団し、開幕後すぐに支配下に昇格して3年目。攻守にスピード感あふれるプレーで1軍定着へアピールしている。ただ、パワーでは体の大きな選手にかなわないと思い悩んだことも。自身の強みをどう見出し、戦おうとしているのか。現在までの歩みを振り返り、少年少女にメッセージを送ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
考え方ひとつで夢はかなう…小さいのは「他の選手にない長所」
西武の20歳、滝澤夏央内野手は身長164センチ。現在のプロ野球界で最も小さな選手だ。2022年に育成ドラフトで入団し、開幕後すぐに支配下に昇格して3年目。攻守にスピード感あふれるプレーで1軍定着へアピールしている。ただ、パワーでは体の大きな選手にかなわないと思い悩んだことも。自身の強みをどう見出し、戦おうとしているのか。現在までの歩みを振り返り、少年少女にメッセージを送ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
失礼になるかもと思いながらも、まず聞いた。滝澤は自分の身長をどう考えているのかと。返ってきたのは真っすぐな思いだった。
「実際、正直に言えばですよ。今も不利なのかなと思うこともあります。野球は始めた時から大好きで、プロ野球選手になりたいという思いで続けてきました。でも現実を見た時に、無理なのかなと思ったこともあります」
プロ野球のユニホームを着て戦っていられるのは、そこで諦めなかったからだ。少年時代から小柄だったが、成長期を迎えるとともに、周りには大きな選手がどんどん増えていった。そこで心折れるのではなく、発想の転換があった。
「小さいことを強みにしないといけないと思ったんです。他の選手にない長所だと考えて、持ち味として生かしていきたい。小さいからこそのスピード感だったり、誰にも負けないような足だったり」
新潟県上越市出身の滝澤は、3人兄弟の1番下。本人に言わせれば「物心ついた時から」野球が隣にあった。兄の練習についていくなどして、自然と野球を始めた。「プロになりたいという思いは、一度もブレたことがありません」と言い切る。