厳しい残暑を乗り切る水分補給の方法 寒暖差で疲労蓄積…“秋バテ”予防に胃腸の回復は不可欠
“秋バテ”につながる「冷えのダメージ」
暑さが本格的になった初夏の頃から、運動中に限らず、常に冷えた飲み物で水分補給をしていた方が多いと思います。そのため夏の体は「暑さによるダメージ」だけでなく、冷房にあたる環境下や冷たい飲み物を摂り続けることによる「冷えのダメージ」も受けています。さらに夏から秋へと移り変わる気候の寒暖差が加わり、自律神経が乱れることで胃腸の働きが知らず知らずのうちに低下。“秋バテ”という形で現れます。
そこで、夏から疲れが抜けない、食欲が回復しないと感じる方は「運動時以外は温かいもので水分を補給する」ことを心掛けましょう。冷たいものを控えると胃腸の働きを整えることができます。
まずは運動後ですが、胃腸の機能の低下につながる冷たい飲み物の一気飲みは控えましょう。運動時の体のほてりが落ち着いた頃、冷えた水やスポーツ飲料から、常温の水や麦茶などに切り替えます。
次に食事のときは温かい汁物を一緒に摂る、あるいは温かいうどんやそばを選びましょう。成人の場合、1日あたり2500ミリリットルの水分が身体を出入りしていると考えられています。その内1000ミリリットルは食物中の水分から摂取しており、味噌汁やスープは水分補給になるだけでなく、汗で失われるナトリウムやカリウムなどの電解質やビタミン、たんぱく質を補給するのに適しています。これまで、Jリーグやラグビーリーグワンなど、様々な競技種目や国籍の選手たちの食事メニューを作成してきましたが、選手たちの食事も必ず、味噌汁やミネストローネなどの汁物を添えるようにしています。
余談ですが、国内で活躍するトップアスリートや海外遠征で日本を訪れる外国人アスリートたちに最も人気があった味噌汁は何だと思いますか? 答えは“豚汁”です。良質のたんぱく質やエネルギー源となる里芋が含まれるほか、ビタミンやミネラルの豊富な野菜、免疫の強化に役立つ味噌汁のうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれ、アスリートのコンディション維持にはピッタリの一品と言えます。
豚汁は「冬の汁物」というイメージもあるかと思いますが、秋からの定番メニューの一つに加えてみてはいかがでしょうか。
合わせて汁物の具材にするとよい栄養素および食品を記しました。スポーツをする人や、最近、疲れが抜けないというビジネスパーソンの方は、意識してみてください。
【秋バテ予防・改善の汁物におすすめの具材】
エネルギー源:マカロニ、さつま芋、さと芋、じゃが芋、長芋
たんぱく質:豚もも肉、木綿豆腐、厚揚げ、卵
ビタミンB1:大豆、ねぎ、ごま
ビタミンC:れんこん、水菜、ブロッコリー、カリフラワー
ビタミンD:しいたけ、しめじ、まいたけ
カルシウム:小松菜、大根の葉、かぶの葉
鉄:あさり、ほうれん草、ワカメ
ジアスターゼ(消化酵素):大根
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)
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