イチロー氏が伝授した健康寿命の延ばし方 “心技体”は「順番が違う」同世代と目指す10年後の姿

重要なのは「習慣にすること」
「体を整えておかないと、やる気も出ないし、すぐ怪我します」。いきなり無理するのは禁物。まずは立っている時、歩いている時にも股関節の上に上半身を乗せる意識を保つなど、日常生活の動きの中にトレーニング要素を入れることが効果的だという。そして重要なのは「習慣にすること」。自分の体の変化や違和感に気づきやすくなるためにも、同じ動きを同じ時間にすることをおすすめした。
イチロー氏の場合、体の状態は現役時代からダッシュで測っていた。「全力じゃなくていい。8割ぐらいの力で走った時の感触で『あ、俺今日いい感じ』、『今日なんかいつもと違う』と走りでわかるんです」。ストレッチ前に走るのがイチロー流。「ストレッチは血流を高めてからのほうが効果が出る。一瞬で血流が上がるような動きを入れてからストレッチするほうが僕は気持ちいい」という。
「健康寿命を延ばさないと、どれだけ長生きしても面白くない」というイチロー氏は、“over 51”の人たちにこう訴えた。
「前向きな気持ちがある方々は延ばせると思う。それが何歳までだって決まっていることに縛られないでください。かといって無茶はしないで。もうとにかく頑張るという時期は過ぎたので(笑)。力を抜いて頑張る。そうすると結果的に健康寿命が長くなるんじゃないかな」
休憩も入れて約4時間のイベント。最後にイチロー氏は「やっぱりみんなで体を動かすと気持ちいいし、楽しいし、いいじゃないですか。そういう方々の放つ空気ってすごく爽やか。僕はそれが大好き」と噛みしめた。「汗を流したら気持ちいい。その感覚を10年後も20年後もずっと持っていながら、皆さんと共有出来たら嬉しい」。プロアマ問わず、同世代の運動仲間がそこには生まれていた。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
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