「高糖度でハイカロリー」は本当? 大人気タピオカミルクティーの上手な楽しみ方
専門店は1杯300~400kcalになる場合も? 上手に楽しむにはどうすべきか
一方、タピオカドリンク専門店のほうは、コンビニの商品よりも甘味が強く、1杯の量が多くなるため、1杯300~400kcalになる場合もあると思います。その場合は、シロップの量やトッピングを欲張らない、小さなサイズにするなど、オーダーの仕方でカロリーを控えつつ、楽しむといいでしょう。
さて、過去にもテレビ番組などで、炭酸の清涼飲料水やペットボトルのミルクティーに含まれる糖質を砂糖に換算し、大量摂取を注意喚起するシーンを何度か見聞きすることがありました。ただ、これらは確かに砂糖換算でもよいのですが、時々、ご飯も砂糖に換算するメディアを見かけます。確かにご飯も糖質が主成分ですが、砂糖に換算すると「ご飯も砂糖も同じ」という誤解を招きます。実際、近年の炭水化物抜きダイエットのブームもあり、「米は体に悪いんですか?」と聞いてくるアスリートもいるので、彼らにも必ず、砂糖とご飯の違いを説明しています。
糖質は、ご飯やパンなどの主成分である炭水化物(糖質+食物繊維)と、炭水化物から食物繊維を除いたでんぷんなどの糖質、糖質の一部である砂糖やブドウ糖などの糖類に分類されます。ご飯やパンなどの炭水化物には食物繊維が含まれるため体内での吸収が穏やかなのに対して、砂糖やブドウ糖は消化・吸収されやすく、血糖値を急激に上げやすいのが特徴です。また、お米はタンパク質や食物繊維、ビタミン・ミネラルといった体に必要な微量栄養素も含まれています。ですから、糖類以外の栄養価ほぼゼロの砂糖とは、イコールではありません。
砂糖たっぷりの飲み物やお菓子はご褒美食ですが、炭水化物は日々、体や脳を動かすためのエネルギー源。同じ糖質でも、働きはまったく異なります。体力の低下や疲労がたまったときはまず、甘い物よりも米を積極的に摂ってくださいね。
さて、タピオカミルクティーに話を戻すと、砂糖以外に使われているのは、タンパク質やカルシウム、ビタミンB群等を含む牛乳と、でんぷん質のタピオカです。つまり、疲れた体のエネルギー源になる栄養を含んでいるので、ただ甘いだけの清涼飲料を飲むよりもおすすめ。ただし、「飲み物だから」とコーヒーや紅茶の感覚で量をたくさん飲んだり、毎日飲む習慣がついたりするとすぐにカロリーオーバーになります。タピオカミルクティーを飲んだ日は他の甘い物は摂らない、他の飲み物はノンシュガーにするなど、うまく調整しながら楽しんでくださいね。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)