長友佑都らをサポートするトレーナー、最大限の力を発揮するための水分補給を語る
試合前日には「3リットルの水分補給を指示」
こまめな水分補給の重要性を強調する木場氏は摂取するタイミングについて、「喉が渇いたら少しずつ補うようにしている」と体のシグナルに耳を傾けることが大切とする一方、競技によって違いがあることにも言及している。
「例えばテニスや野球などの競技と比べて、サッカーの試合では摂取するタイミングが難しい。プレーが途切れなければ、水を飲むチャンスもありませんから。そう考えると、試合前から水分を摂ることが大事になります」
では、試合前日にはどのような摂取が理想的になるのか。
「私は選手に対して、試合の前日に3リットルの水分補給を指示しています。試合当日に胃袋に溜まっているとお腹がタポタポになって動けない。ですから、試合の1時間半前には、500ミリリットルの水分を飲み終わらせておくように伝えています」
その一方で、やってはいけない水分補給もあると木場氏は指摘する。
「どんなに喉が渇いていても、がぶ飲みはダメです。いきなり300ミリリットルを胃に入れしまうと負担がかかります。そしてすぐに吸収できないので、胃の中にも残ります。1回の理想的な水分補給は一口分、80から120ミリリットルと言われています。こまめに飲むことで胃の負担は軽減できるのです」
摂取する水分の量に関してそう明確な基準を示しているが、水温についてはどのくらいの温度が最適なのだろうか。
「一般的には、5~15度が適温と言われています。スポーツ時の飲料は喉ごしも大事ですので、このくらいの温度が喉にスッと入ります。冷たすぎると胃に負担がかかり、吸収にも影響しますので、ほどほどの冷たさですね」