世界トップ選手は何を食べているのか 五輪選手村から見える「アスリート食の基本」
同じトレーニングでも食事の差で結果は変わる、大きな鍵握る栄養
むしろ大事なのは「自分に合った食べ方」を身に着けること。アスリートは高いパフォーマンスを維持しながら体を強くするために、必要なエネルギー量を把握し、食事で摂取しなければいけません。調理法にこだわったり(例えば、肉や魚は網焼きや蒸し焼きにして余計な脂質を落とすなど)、いつ何をどのぐらい食べるべきかを考えられたりと、食べ方をコントロールできるか否かが重要です。近年では「穀物はなるべく精製されていないものを選ぶ」、「必要以上に塩分を摂らない」という考え方も欧米を中心に主流となっています。
IOCの合同表明には、
――すべてのアスリートは、精神的・身体的能力を最大限発揮するため、練習や試合前・試合の合間・試合後の栄養の摂り方を身につけなければならない。
――栄養はアスリートの勝敗を大きく左右する重要な要素であり、能力を最大限に発揮するためには栄養の摂り方を身につけなければならない。
とも記されています。同じトレーニングをしていても、食事の差で結果が変わる。栄養は、それだけ大きな鍵を握ると考えられているのです。
【了】
長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima