青木愛さん、勅使川原郁恵さんが実践するカラダづくり 最適な水分補給とは
現役時代に目指した「丸太の体型」
青木「1日大体10時間から12時間ぐらい練習をします。食事や栄養補給のタイミングと言うと、水の中にいないときは、ほぼ何かを口にしていましたね。大阪にある井村シンクロクラブに通う電車の中でも、お行儀が悪いですけど、おにぎりを食べたりしていました」
勅使川原「私は練習場におにぎりを持っていって、練習後のクールダウンを終えてからすぐに食べていましたね。食べる時間が遅れると、それだけ疲労回復が遅くなりますから」
青木「おにぎりは簡単にどこでも食べられる。海外遠征でもチームでお米やお餅など日本食を持っていき、食べていました」
勅使川原「日本のスポーツ選手は、やっぱりご飯が必要ですよね(笑)」
青木「現役中のトレーニングでよくやっていたものは何ですか?」
勅使川原「一番は、体幹トレーニングかな。腹筋、背筋をしっかりやって軸をキープして、バランスを整える。レースは常に左回りなので、どんどんバランスが悪くなるんですよ。だからスケート靴を脱いだら、すぐにバランスを整えるようにしていました」
青木「シンクロも体幹は凄く大事です。体幹ができていないと、スピンができない。凄くきれいに回ることができる選手は、胴のくびれがないんです。だから私もよく『丸太になりなさい』と言われました。女性としてはちょっと嫌ですけど、それでも丸太の体型を目指しましたね」
勅使川原「スピードスケートは下半身の筋力を鍛えることが比率としては多いのですが、実は上半身も大事なんです。というのも種目にリレー競技があって、バトンの代わりに次の選手の腰を押さなければいけない。パワーのない選手に押されるとスピードが出ないから、上半身も鍛えていました」
青木「押す力も必要とはちょっと意外です(笑)」
勅使川原「シンクロは競技の性質上、魅せることも大切になりますよね?」
青木「きれいな魅せ方は、ダンスの先生が教えてくれました。スタジオで鏡を見ながら、こうすると首のラインがきれいに見えるとか。陸の上でできないと水の中ではできませんから」
勅使川原「美しさを追求する一方で、水の中では激しく動いていますよね」
青木「複雑なフォーメーションで、チームメイトとぶつかったり、蹴られたりして骨折することもあります。位置取りや足の出し方まで細かく合わせました。このタイミングだとぶつかるからこっちに足を蹴って、とかですね」
勅使川原「水の中で骨折って、あまり聞いたことがないです。やはり想像以上に激しいスポーツなんですね」