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父母も姉も…バレーボール一家に生まれたドラ1候補 立石正広に五輪選手の母が授けた“信念”

日米のドラ1候補が見せた笑顔…右は立石、左はチョロウスキー【写真:羽鳥慶太】
日米のドラ1候補が見せた笑顔…右は立石、左はチョロウスキー【写真:羽鳥慶太】

五輪選手の母から「上には上が」米国主砲とツーショットの意味

「全然厳しくはなかったんですけど、とにかくできなかったら練習してこいと。すごく気は使ってくれるんです。野球はあんまり知らないから、余計なことを言わないようにと。でも『いくらでも上には上がおるから、もう練習するしかないんだよ』とはよく言われました。そのおかげで、良く言えば調子に乗らない性格になったのかなと。悪く言えばネガティブ思考かもしれないんですけど、そこは親から受け継いだと思います」

 大学通算15本塁打、打球速度は時速170キロを超える。プロ野球のスカウトからは、今年のドラフト候補では頭一つ抜けた存在との声が聞こえる。それでもさらに上を目指して愚直に努力できるのは、この環境で育ったからだ。今夏は日本代表の4番として日米大学野球選手権にも参加。「上には上がおる」の意味を、身をもって知った。

「短期間でチームを作って、強い相手に対して思い切りぶつかるのが楽しかったですね。ジャパンが終わった後は大学に戻ってすぐ練習に入ったんですけど、モチベーションの整理が難しかった。ジャパンという空間がめちゃくちゃ楽しくて。楽しみすぎちゃったというか」と苦笑い。日本にも米国にもいた「上の選手」に直接ぶつかっていった。

 同じくドラフト上位候補と目される小島大河捕手(明大)や、小田康一郎内野手(青学大)と打撃について語り合った。「自分から見てもコンタクト力があるし、ホームランも打てるしで理想的なバッター2人なので。球種の待ち方だったり、自分は逃げていくボールが苦手なので、そこにどう対処しているのかとか」。もっと上に行くにはどうしたらいいか、考えて即実践できるのが何より楽しかった。

 日本が優勝した日米大学野球では「4番・二塁」が定位置だったが、出場4試合で打率.188、長打は二塁打が1本だけどチームの期待に応えたとは言えなかった。「4試合で打率2割くらいの時って、いくらでもあると思うんです。でもやっぱり焦って表情に出ちゃったりとか、チームメートを不安にさせたりしたかもしれない。(日本代表の)堀井監督からも指摘いただいて、意識してきたつもりだったんでそれは悔しかったですね」。

 大会閉幕後、神宮球場のグラウンドで、来夏の大リーグドラフトで全体1位になると囁かれるロッチ・チョロウスキー内野手とツーショットに納まった。「プロ野球とメジャー、どっちがレベル高いかは置いておいて、野球というスポーツではやっぱりメジャーが世界の最高峰じゃないですか。野球選手である以上、絶対ああいう場でプレーしてみたい。自分の証明じゃないですけど。本当に先にの話ですけど、自分の野望です」。再び、同じ舞台で戦う日を信じている。

 2003年生まれの立石に、母が日の丸をつけて戦っていた記憶はない。ただその“証拠”は見たことがある。母が五輪で身につけていた公式ウェアの類は「兵庫のおばあちゃんの家に全部あります。スーツとか、綺麗なままですよ」。プロの世界、そして海の向こうにはうまい選手が山のようにいる。その中に飛び込んだ時、立石はさらに成長を遂げるはずだ。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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