[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

元パラ陸上日本代表が障害者の労働環境にアプローチ 「違い」を「強み」にする策とは

A-MAPを受講し始め、他人の声を聞くことで世界が広がったという(写真=本人提供)
A-MAPを受講し始め、他人の声を聞くことで世界が広がったという(写真=本人提供)

パラ陸上で世界一を目指すも「ワクワクしなくなって」2024年に現役引退

 芦田さんは5歳の時に発症したデスモイド腫瘍の影響で右上肢機能障害となった。15歳で陸上を始め、19歳からパラ陸上日本代表として走幅跳や三段跳、リレー競技で活躍。2016年リオデジャネイロパラリンピックでは4×100mリレーで銅メダル、2017年世界パラ陸上選手権でも三段跳と4×100mリレーで銅メダルを獲得。走幅跳(7m15)と三段跳(13m79)の日本記録保持者でもある。

 世界一を目標に日本代表として10年以上活動し続けたが、2024年8月に現役を引退。「世界一になれない現実が積み重なってくると、理想を描きたくても現実に引っ張られてしまい、最後の方はなれるイメージがまったく湧かなくて。ワクワクしなくなってしまったんです」と振り返る。そして、この引退を機にA-MAPの受講を決めた。

 今回のピッチ大会のテーマが発表された時、芦田さんは「迷いしかなかったです」と苦笑いで振り返る。

「前提条件は『スポーツの力を使って』×『社会課題を解決する』こと。ただのビジネスではなく『社会課題』なんですよね。『社会課題』の定義を明確にすることに時間がかかってしまった。本当に困っている人がいる課題は何なのか……。そこで2回目の中間発表後、1月2週目に『ソーシャルビジネスとは何か』を学びにボーダレスアカデミーへ行きました。そこで『これは資本主義の弊害を被る人たちを解放する活動だ』と分かったんです」

 当初は「働き世代の健康」「アスリートの離婚問題」などを念頭にヒアリングを始めたが、個人的な要素が多く社会課題とは少し異なる気がした。「本当に困っている人、かつ経済的合理性から外れた分野と考えた時、障害のある方からキャリアに関する悩みを数多くキャッチできた」と、ピッチ大会があと3週間後に迫るタイミングで「誰もが挑戦できる社会を創る」という自身のテーマを固めた。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
CW-X CW-X
lawsonticket
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集