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収入減でもコーチ退任→現役復帰 止められた「何で?」 2軍球団、中米渡り投げた40歳の人生観

チームに所属しない=現役引退ではないと語る藤岡【写真:羽鳥慶太】
チームに所属しない=現役引退ではないと語る藤岡【写真:羽鳥慶太】

ニカラグアで再確認した人生観「自分の人生は、自分で決める」

「全然驚かれないんですよ。年齢がいってるから野球しちゃダメという目線が一切なくて。1人の選手として、持っている力だけで評価されるんです。実際に40歳を超えた選手もいましたし、新鮮でしたね」

 勝負は常に真剣。時には対戦した若い選手から「変化球ばっかり投げるな」と怒られることもあった。6試合に投げ防御率3.38という数字以上に「世界では年齢関係なく、自分をアピールした人がのし上がっていく」という学びがあった。

「自分の人生は自分で決めていけるし、アピールしだいで道はそれなりにできるんですよ。向こうの選手は『俺も日本に行かせてくれよ』と言ってきたり、とにかく積極的で。日本人があまりできないことじゃないですか? 何が邪魔しているのか分かりませんけど」

 日本から遠く1万3000キロも離れたニカラグアで人生観、野球観を磨き、40歳になる今季もくふうハヤテに戻って投げ続けた。「終わらせなければ、終わらないんですよ。DeNAの先輩の久保(康友)さんがそうじゃないですか」と5歳年長の右腕の名を挙げる。久保は2017年を最後にNPBを離れてからもメキシコやドイツなどを渡り歩き、今季も関西独立リーグで投げた。

「メジャーでも、いつ現役を終わるかは自分で決めますよね。松井(秀喜)さんもリリースされて、後で引退を宣言した。ニカラグアでも、クビを切られても練習を続けている選手を見ました。チームに属することが現役なんだとか、所属しないから引退だとか、そういう価値観じゃないところでやってるんだと。確かにそうだなと思ったんです」

 現在、北中米だけでなく、欧州や豪州に渡ってプレーする選手が少しずつ増えている。NPBに所属している選手が思う以上に、外で野球を続ける道は太くなっている。「一度引退した時にそういう考えがあったら、また違う選択になっていたのかもしれません。自分で最後を決められる野球人生って、最高じゃないですか」。

 このオフ、藤岡はくふうハヤテを退団した。「野球を続けるのか、それとも新たな道へ進むのか、もう少し時間をかけて考えたいと思います」。まだ投げるのか、区切りをつけるのか。それを決められるのもまた、自分自身だ。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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