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収入減でもコーチ退任→現役復帰 止められた「何で?」 2軍球団、中米渡り投げた40歳の人生観

2軍球団では様々な技術を試しながらイニングを重ねた藤岡【写真:羽鳥慶太】
2軍球団では様々な技術を試しながらイニングを重ねた藤岡【写真:羽鳥慶太】

39歳で防御率1点台、初の海外挑戦「普通じゃないからやるんです」

「現役でお金を稼ぎたいとかじゃない。生き方としてちょっとズレてしまったのを、一回自分の考えを通してみたいと。それだけなんです」

 藤岡は「コロナの時期にやめた人って、みんな相当悩んでいると思いますよ」と口にする。「現役を続ける手段もないし、海外に行くなんて考えられもしなかった。受け入れざるを得ないと」。さらに2年間を火の国で過ごすと、2023年末に退団。今度は2軍専門球団として参入が決まったくふうハヤテのトライアウトを受け、入団を勝ち取った。ここでは全くの一選手に戻った。

「僕が結構不器用で、選手と指導という2つに時間を使うのがうまくなかったんです」と、自分の適性を考えての行動だった。さらに「野球にもう一回だけ時間を使おうと。コロナを意識しなくても良くなった。だったらもう一回、選手として時間を最大限使いたかったんです」。失った時間を、取り戻す戦いでもあった。

 再びつかんだ、NPB選手と対戦するチャンス。39歳になった藤岡は、せいぜい140キロのストレートでアウトの山を築いた。21試合で防御率1.37。さらに冬には、ニカラグアのウインターリーグに身を投じた。海外でプレーするのは、この歳にして初めて。「普通じゃできないからやるんですよ。僕はやりたかっただけなんで」と笑う。

 もともと、海外でのプレーに興味はあった。2010年代はNPB球団が、豪州や中南米で行われるウィンターリーグを強化に利用し始めた時期だ。ソフトバンク時代に参加を直訴したが、体調不良もあり叶わなかった。DeNAでは豪州に行ってみないかと声がかかったが、新型コロナ禍で消えてしまった。

「現実的に行ける環境なんだから、もう1回チャンスがあったら年齢関係なく実行してみようと。ちょっと年数はかかっちゃいましたけど」。海外で投げてみたいと声を上げると、中米ニカラグアから声がかかった。39歳での初挑戦。現地では、予想外の反応が待っていた。

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