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メジャー630発男も認めた逆輸入スラッガー ドラフト待つ根岸辰昇、慶応高→米大学で得た「特異な経験」

慶応高(神奈川)で2018年夏の甲子園に出場したスラッガーが、米国の大学で腕を磨いて帰国。24日に行われるプロ野球のドラフト会議での指名を待っている。根岸辰昇(たつのり)内野手はこの夏、米大リーグのオールスターゲームの“前座”として行われた試合で活躍。大学最後のシーズンでも自己最高の成績を残した。慶大に進まず米球界へという異色の経歴や、米国生活で得た強みを振り返ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

根岸(左)はメジャー630発のグリフィーJr.が率いるチームでプレーした【写真:本人提供】
根岸(左)はメジャー630発のグリフィーJr.が率いるチームでプレーした【写真:本人提供】

大リーグ球宴の前座試合で活躍、グリフィーJr.から助言も

 慶応高(神奈川)で2018年夏の甲子園に出場したスラッガーが、米国の大学で腕を磨いて帰国。24日に行われるプロ野球のドラフト会議での指名を待っている。根岸辰昇(たつのり)内野手はこの夏、米大リーグのオールスターゲームの“前座”として行われた試合で活躍。大学最後のシーズンでも自己最高の成績を残した。慶大に進まず米球界へという異色の経歴や、米国生活で得た強みを振り返ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

 米国のミドルテネシー州立大学を卒業し、この夏帰国した根岸には、すでにNPBの複数球団から調査がかかっている。ドラフト会議まであとわずかという状況でも「ドキドキはします。でも大谷選手や鈴木誠也選手を見ていたら、そんなことは言ってられないなと。ああいう選手になりたいと思っているので」。インターネット上でファンが行う“仮想ドラフト”も目に入るが、プロ入りはあくまで通過点。目指すはその世界での活躍だと心得ている。

 異国で積んだ実績は十分だ。7月12日(日本時間13日)、根岸の姿は米大リーグの球宴を控えたレンジャーズの本拠地、グローブライフ・フィールドにあった。全米のマイノリティ選手を集めた大学野球のオールスターゲーム「HBCU スイングマン・クラシック」に出場するためだ。マリナーズなどで通算630本塁打した殿堂入り選手、ケン・グリフィーJr.がメンバー選考に関わり監督も務めるこの試合で、根岸は4番に座り2打数1安打。試合中には、グリフィーJr.に熱心に話しかけている様子が中継映像に映った。

「バッティングのことを聞きに行ったんですが、アドバイスは結構日本人的でした。『しっかり前足に体重を乗せて、後ろの肩を下げずに打て』と。こういうところでプレーできるのは自信になりましたし、グリフィーさんに認めてもらえたというのもうれしかったですね」。大リーグ球団のスカウトと話す機会もあり「日本でプロになりたい」と伝えると「お前ならできるよ」と激励を受けた。

 大舞台に選ばれるだけの実績を残してきた。大学最後のシーズン、根岸はNCAA(全米大学体育協会)1部を戦うノースカロライナA&T州立大で打率.371、8本塁打、37打点。いずれも自己最高の成績だった。海を渡って5年、どんな進化がこの結果に結びついたのだろうか。

「日本とアメリカの打者は、投球に対するアプローチや、練習からして違います。そこで日本ではないスキルを身につけたり、一方で日本の野球の経験も融合させられたのが、好成績につながったのではないかと思います」

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