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日本唯一の“医師兼プロ野球選手”が引退決断 2軍球団で進化も…痛感した1軍との差「上に行くのは無理」

日本でただ一人の“医師兼プロ野球選手”が、グラブを置く決断をした。ウエスタン・リーグに参加するくふうハヤテは11日、竹内奎人投手が今季限りで現役を引退し、退団すると発表した。最初から、NPBを目指す期間は2年とタイムリミットを決めての挑戦。最後の1年をいかにして駆け抜けたのか、竹内に聞いた。(数字は22日現在)

医師国家試験に合格している竹内は2年間、くふうハヤテでNPBへの挑戦を続けた【写真:羽鳥慶太】
医師国家試験に合格している竹内は2年間、くふうハヤテでNPBへの挑戦を続けた【写真:羽鳥慶太】

くふうハヤテの竹内奎人「運にも縁にも恵まれた」2年間

 日本でただ一人の“医師兼プロ野球選手”が、グラブを置く決断をした。ウエスタン・リーグに参加するくふうハヤテは11日、竹内奎人投手が今季限りで現役を引退し、退団すると発表した。最初から、NPBを目指す期間は2年とタイムリミットを決めての挑戦。最後の1年をいかにして駆け抜けたのか、竹内に聞いた。(数字は22日現在)

「中継ぎだけで3勝ですからね。ウソみたいですよ。運にも、縁にも恵まれたというか……」

 26歳の竹内は、こう笑いながら2年目の手応えを口にする。静岡高から国立群馬大の医学部で学び、準硬式野球部でプレーしていた2023年秋にプロ志望届を提出した。ただドラフトで指名はなく、昨季から2軍に参加したくふうハヤテ入り。キャンプ中も受験勉強を続け、開幕前には見事に医師国家試験にも合格。日本では例がない“医師兼プロ野球選手”となった。

 1年目、ウエスタンで残した成績は27試合で0勝6敗、防御率6.09。75回1/3を投げて23奪三振。それがリリーフに専念した今季は29試合で3勝1敗、防御率3.03と大きく向上させた。投球イニングが38回2/3と半減する中、昨季を超える25三振を奪った。

 待望の初勝利は、4月11日の阪神戦で挙げた。先発の佐藤宏樹投手が熱中症のようになり降板。2回2死満塁から緊急登板し、2回1/3を無失点という力投だった。ブルペンで投球練習をする時間もなかったが「心に余裕がないからこそ、腹をくくって愚直に向かっていくことができるというか。そういう状況、嫌いではないですね。あとは何回も経験しているうちに慣れました」と笑う。やがてチーム内では「緊急登板なら竹内」と認識されるようになった。

 NPBからのドラフト指名がなければ、挑戦は2年で終えると決めていた。今季が野球選手として最後の1年になることも覚悟して、昨オフは準備した。「成績を出したいのはもちろんですが、楽しいと思い続けて1年を送ろうと思っていました。それがいい方向に向いたんじゃないかと思っています」。ボールの出力を上げる試みに没頭した。

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