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国立大学から公務員、超手堅いキャリアを手放して目指すNPB 150キロ右腕が悩んだ二刀流「本当にキツくて…」

国立大学から地方公務員という手堅いキャリアを手放して、プロ野球への夢を追う150キロ右腕がいる。今季から2軍ウエスタン・リーグに参入したくふうハヤテの早川太貴投手は、7月のフレッシュオールスターにも出場するなど、10月のドラフト指名を目指し実績を積み上げてきた。安定を捨てて挑戦を続けるという選択の“裏側”を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

身長185センチの早川は、堂々とした体格から最速150キロを誇る【写真:羽鳥慶太】
身長185センチの早川は、堂々とした体格から最速150キロを誇る【写真:羽鳥慶太】

くふうハヤテの早川太貴、市役所職員からフレッシュ球宴へ

 国立大学から地方公務員という手堅いキャリアを手放して、プロ野球への夢を追う150キロ右腕がいる。今季から2軍ウエスタン・リーグに参入したくふうハヤテの早川太貴投手は、7月のフレッシュオールスターにも出場するなど、10月のドラフト指名を目指し実績を積み上げてきた。安定を捨てて挑戦を続けるという選択の“裏側”を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

 後悔しないための選択だった。公務員から2軍球団へという道を選ぶにあたっては「中途半端にしたくなかったんです。仕事をしながら野球もうまくなるというのが本当にきつくて……」という理由があった。一度は二兎を追おうとしたが、2年間の“二刀流”の末に、どちらのためにも良くないと悟った。

 早川は高校時代、北海道江別市の大麻高でプレー。全道大会にも届かないチームの目立たない投手だった。国立の小樽商科大に進んだ時も、球速は最速で132キロほど。それが自主性を重視する野球部で、ウエートトレーニングに目覚めたのが転機となる。大学を出る時には最速147キロ。「もっとできるんじゃないのかな?」という欲が芽生えたが、その先も野球を続ける道がなかった。

 大学は札幌学生リーグの2部に属している。社会人チームとのパイプもなく、誘いの声はかからなかった。さらに、3年生だった2020年から新型コロナウイルスが広がっていたこともあり、プレーを人に見てもらう機会が極端に不足していた。独立リーグに進むことも考えたが、家族の反対もありあきらめた。

「大学まで出させてもらって、親の気持ちもわからなくはないですから。野球は目指せるところまで目指して、無理ならあきらめよう」と選んだのが、公務員試験。狭き門を潜り抜けて北広島市役所入りし、福祉課に配属された。

 同時にクラブチームのウイン北広島でプレーし、野球でも上を目指した。最速150キロまで伸びたボールはNPBのスカウトからも注目された。練習を見に来た球団もいくつかあったが、昨年10月のドラフト会議で指名はなかった。

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