「10人いたら10人反対」超安定企業を辞め2軍球団へ オイシックス知念大成の熱すぎる思い「ドラフト30位でも…」
今季からプロ野球の2軍イースタン・リーグに参加したオイシックスに、躍動感あふれるプレーでファンやNPBのスカウトにアピールしている選手がいる。24歳の知念大成外野手はチームトップ、リーグ3位の打率.286を残し、攻守でチームの核となっている。昨季までプレーした社会人野球の沖縄電力を退社し、プロ入りに懸けてオイシックスへ。周囲が猛反対したという決断の裏側を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
激しすぎるプレーにズボンがピンチ「どんどん破れてきたので…」
今季からプロ野球の2軍イースタン・リーグに参加したオイシックスに、躍動感あふれるプレーでファンやNPBのスカウトにアピールしている選手がいる。24歳の知念大成外野手はチームトップ、リーグ3位の打率.286を残し、攻守でチームの核となっている。昨季までプレーした社会人野球の沖縄電力を退社し、プロ入りに懸けてオイシックスへ。周囲が猛反対したという決断の裏側を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
ワイルドすぎるアピールは、NPB球団に届くか。知念のユニホームの着こなしは独特だ。上衣は半袖をまくり上げ、パンツは膝上までしか見せずハーフパンツのようになっている。シーズンが始まってしばらくは、普通のロングパンツだった。それが「どんどん破れてきたので、切っちゃいました」。日焼けした顔に、白い歯がまぶしい。
沖縄尚学高時代は150キロ近いボールを投げる剛腕サウスポーとして知られた。甲子園出場こそ果たせなかったものの、社会人野球の沖縄電力に進むと外野手に転向し、昨季まで5年間プレーした。地元の超安定企業を飛び出て、初の2軍球団に身を投じたのはなぜなのか。
「どうしてもプロに行きたいんです。育成でも、ドラフト30位でもいいって言ったんですが……」
社会人野球、特に企業のチームに属する選手が、育成ドラフトで指名されることは事実上ない。育成選手という制度が、選手が学生生活を終えても野球を続けられる環境の拡大を目的として始まったため、社会人野球と選手の“奪い合い”は避けている。
そのため近年、安定した大企業のチームから、プロ入りへの勝負とばかりに独立リーグへ進む選手が増えている。知念もそのケースだった。「どこかの球団で勝負をかけたいと。会社にも迷惑をかけたと思いますけど、自分の夢を優先させてもらいました」。地元では超安定企業の職にも、未練はなかった。