“中卒”で卓球に専念 15歳で湧いた疑問「なぜ若い頃に学校行くの?」世界への道を拓いた決断――トルルス・モーレゴード

15歳で卓球に専念…それでも不安は「全くなかった」ワケ
一番の転機は15歳の頃。モーレゴードは大きな決断を下した。それは高校に進まないこと。当時の心境をこう振り返る。
「卓球に専念したかったんだ。(プロになることは)中国や日本ほど簡単ではない。お金やコーチなど、あらゆる面でかなり違う。だからこそ、全力を注ぐ必要があると感じていたんだ」
スウェーデンは基礎学校9年・高校3年・大学3年の教育課程。奨学金制度など学生を支援する制度が充実しており、卒業後に就職してから学び直すケースも少なくない。
だが、幼い頃から将来を嘱望され、プロとして大成できなかった選手もいる。日本では、高校や大学に通いながら、アスリートとして両立する選手が一般的。それでも将来に対する不安は「全くなかった」という。
「学校に行くと(卓球に集中することは)できなかった。両立できなかったんだよ。それに学校に行くのに遅すぎるなんてことはない。むしろ、なぜ若い頃に学校に行かなければいけないのか、と感じていたんだ」
2021年には世界選手権で準優勝、昨年のパリ五輪ではシングルス、団体ともに銀メダルを獲得するなど、23歳にして世界トップクラスに上り詰めたモーレゴード。WTTチャンピオンズ横浜も準決勝進出を果たし、8月下旬に行われたWTTグランドスマッシュ大会の決勝で世界ランキング1位の林詩棟(中国)を破って優勝する快挙を達成した。
学業は引退後でもできるが、現役期間は人生のほんの一部。15歳で下した決断が今の道を切り開いた。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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