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部活ではなくユースを選んだ理由は? バスケ川崎アカデミー、10代の男女2選手が明かした魅力

U15女子選手に対し練習中に意識するアプローチ

 今年度の女子U15チームでキャプテンを務めた小暮莉瑠(りる)は、中学1年生だった2020年に2期生として加入した。

 岩崎ADによると、ユースに所属する選手の多くが「トップチームが好き」という動機で川崎を選ぶらしい。しかし、小暮は「入る前はそんなに知らなくて」とバツが悪そうに笑い、小学校時代のミニバス仲間たちと中学で離ればなれになることや部活動の活動状況を鑑みた上で、歴史を自分たちで作ることができる新しいチームに魅力を感じ、川崎入りを選んだと話した。

 U15女子の1学年の人数は10人程度。特に中学1年生の時は3学年揃っていなかったこともあり、実戦経験は当初考えていた以上に多かった。春から北信越の強豪・開志国際高校に進む小暮は、特に1対1の技術が伸びたと振り返る。

「1期生と2期生しかいない時は、1対1の能力アップを目指した練習が多かったです。自分は小学生の頃、ディフェンスが全然できなかったんですけど、1対1のディフェンス力は間違いなく上がりました。U14DC(神奈川県協会主催選抜)の練習で、コーチの人から『そのディフェンスを生かして頑張れ』みたいなことを言われた時は、サンダースに入ってよかったなと思いました」

『自ら考える力』を意識した活動内容は、U15女子でも同様だ。同チームでヘッドコーチを兼任する岩崎ADは説明する。

「女子選手は特に、教えられたものを教えられたとおりにやる傾向が強いので、いろいろなパターンを教えた上で『今の自分にとって少しチャレンジングなことをやってみよう』とアプローチすることが多いです。対人の練習では、ディフェンスにはダミーでなくゲームライクにプレーすることを求めます。そうするとオフェンスも応用せざるを得なくなるので、そこでプレーのバリエーションを増やしていこうと伝えています」

 取材に訪れた日の練習では、米国カレッジバスケの映像を見て、展開されているディフェンスがどのような動きで成り立っているかについて、選手たち同士で話し合う時間があった。小暮は、メンバー内で人間関係のトラブルが起こった時に練習時間を短縮して、話し合いをしたこともあったと教えてくれた。

 活動状況やコロナ禍の影響で、U15女子は今年度まで部活動との掛け持ちが認められていたが、来年度からはユース1本での活動が始まる。B3まで含め48チームある男子U15チームに対し、現状10チームに留まっている女子ユースの現状を踏まえながら、小暮は今後の期待を次のように話した。

「男子はユースだけの全国大会があるけど、女子にはありません。Jr.ウインターカップ(U15年代の全国大会。中体連、クラブチーム、ユースいずれのカテゴリーも参加できる)で上位に行くのも中学校のチームがほとんど。ユースチームが増えて、ユースだけの全国大会が生まれて、Jr.ウインターカップでたくさんのユースが上位を狙っていけるようになったらいいなと思います」

 川崎ではU15女子カテゴリーの選手たちのために、新たな実戦の場として主催大会を昨年立ち上げた。今年も3月に「不二家 PRESENTS B.CLUB U15 WOMEN’S CHAMPIONSHIP2023-24 FINAL STAGE」を開催し、全女子ユースチーム、10チームが参加した。チーム間の交流はもちろんのこと、最後の大会となる中学3年生にとってはU18カテゴリーに向けた最後のステップアップの機会になっただろう。

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