2年連続の入団テストで執念のプロ入り 西武・奥村光一が“不合格”で悟った必勝法「一緒のことをしていたら…」
プロ野球の西武は、9月16日に埼玉県所沢市のCAR3219フィールドとプロスピトレーニングセンターで行う入団テストの参加者を募集している。2022年に復活した入団テストでチャンスをつかんだ中には、すでに1軍でプレーしている選手もいる。昨オフ育成ドラフト6位で指名された奥村光一外野手は、2年連続でテスト受験の末、入団を勝ち取った。なぜ2度も受験したのか、そして合格を勝ち取った「テスト対策」についても聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・羽鳥慶太)
今年も9月16日に入団テスト実施の西武、すでに1軍選手を輩出
プロ野球の西武は、9月16日に埼玉県所沢市のCAR3219フィールドとプロスピトレーニングセンターで行う入団テストの参加者を募集している。2022年に復活した入団テストでチャンスをつかんだ中には、すでに1軍でプレーしている選手もいる。昨オフ育成ドラフト6位で指名された奥村光一外野手は、2年連続でテスト受験の末、入団を勝ち取った。なぜ2度も受験したのか、そして合格を勝ち取った「テスト対策」についても聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・羽鳥慶太)
2022年の秋、当時BCリーグの群馬で2年目のシーズンを終えた奥村は西武のテスト告知を見つけ、自ら応募手続きをとった。独立リーグでは打率.339、31盗塁という好成績を残していたが「テストを受けてさらにアピールしたくて。自分の身体能力は数値でも現れると思ったんです」。このテストではまず野球道具を使わず、選手の身体能力を客観的に、数字であぶり出した。ただ奥村に、ドラフト指名の朗報が届くことはなかった。
このテストに合格し、育成ドラフトでの指名にたどり着けたのは、四国アイランドリーグの徳島でプレーしていたモンテル外野手だった。奥村は「自分と比べたときに、モンテルは20メートル走のタイムが速かったのを覚えています。そういうところを見られるのか、今のライオンズがテスト生に求めているのはそこなのか」と気付かされた。
パワーや足の速さといった総合力でアピールするつもりでテストにやってきたが、プロへの門をこじ開けるには方向転換が必要だと悟った。ドラフトで指名がなかった直後には落ち込んだというが「1週間くらいで切り替えて、あと1年やってみよう。やれることは全部やろうと思って」。独立リーグ3年目と、2度目の入団テストに賭けた。
93キロあった体重を10キロ落とし83キロにしたのは、持ち前のスピードをさらに尖らせるのが狙いだった。そして昨夏、2度目の受験となった入団テストでは、50メートル走で全体トップの5秒8を叩き出した。絞ったことで「ベストの体重が見つかった感じでした」。独立リーグでは33盗塁でタイトル獲得。本塁打も4本から6本に増えた。パワーを失うことなく、強みをさらに磨き上げると、ついに育成ドラフトで名前を呼ばれた。