若手有望株がプロとして大成しなかった理由 元Jリーガーが秘める悔いとは
才能があっても成功するとは限らない、プロで成功する重要な要素とは?
「プロ入り以降は、他の選手のレベルの高さや規律、コンディション、メンタルの維持の難しさを味わい、サッカー人生で初めて大きな壁にぶつかりました。ユース時代までの監督やコーチにも目標設定の仕方などを言われてきたはずなのですが、ある程度出来てしまっていたので、意識自体を持っていなかった。今振り返れば、それがプロという世界に入ってから大成しなかった理由のひとつだと思います」
現在33歳となった飯田さんは現役引退後、各種専門学校で学び、柔道整復師・鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を取得。2014年6月には都内に「いいだ鍼灸整骨院」を開業した。社会人としてお金を稼ぐ苦労を知っただけに、その悔しさは一層募るという。
「意識が足りない選手時代だったと思います。岡田さんにも色々厳しく指導されました。ただそのアドバイスを流してしまうような感じだったので、監督やコーチからしたら、かなり扱いづらい選手だったんではないでしょうか」
いかにテクニックが高く、突き抜けた才能を持っていても、プロで成功するとは限らない。飯田さんの話を聞くと、「アマチュア」から「プロ」への意識転換をどう図っていくかが重要なポイントのひとつとなることが分かる。
若年層の頃から、将来像を描いてプレーできるか――。少しでも高い頂を目指したい未来のアスリートに向けて、非常に重い意味を持つ言葉だ。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer