ハカV字応戦に込められたメッセージ 発案者エディーHCが証言「実はハカについて…」
失地回復の至上命令、イングランドHCに就任したエディー氏が取りかかったのは…
2015年12月、イングランド代表HCに就任したエディー氏がまず求められたのは、代表チームの建て直しだった。オーストラリア人のエディー氏は、イングランド代表史上初の外国人HC。8度目のW杯で初めて8強入りを逃したイングランドが伝統国の系譜に終止符を打ってまで、失地回復のために白羽の矢を立てた人物だった。
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長く継続的に勝てるチームを作るため、エディー氏はメンバーの若返りを図った。日本大会でもFL(フランカー)には21歳のトム・カリーと23歳のサム・アンダーヒルを起用。試合登録メンバー23人の平均年齢は27歳で、1996年の本格的プロ化以降、W杯決勝戦では最も若いチームだった。エディー氏はここに、W杯3大会出場のPR(プロップ)ダン・コールやSH(スクラムハーフ)ベン・ヤングスら経験豊富なベテランを加え、「経験とエネルギーの統合」を図った。
「若い選手を育てながら勝つためには、経験のある選手が必要です。彼らは負けた経験も勝った経験も持っている。勝たなければいけない時は何をするべきか、良く分かっています。つまり、ベテランが先生の役割を果たして、若い選手を育ててくれるのです。一方で、若い選手たちはチームにエネルギーをもたらしてくれる。経験とエネルギーを統合すると、すごくいい強いチームになるわけです」
もちろん、決勝で敗れた事実が消えることはない。イングランドは何が足りなかったのか、何が間違っていたのか、何を改善することができるのか。黒星と向き合うことが、今後の成長に繋がる。
「決勝でなぜ十分な力を発揮できなかったのか……。その答えは探し出さないといけません。現在は問題点を洗い出している段階で、まだ答えにはたどり着いていません。ただ、私個人としては、今回のチームを誇りに思っています」
惜しくも2度目のW杯優勝は逃したが、若いチームで準優勝までこぎ着けた自信は、次回2023年のフランス大会への期待を大きく膨らませるものとなった。