[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ハカV字応戦に込められたメッセージ 発案者エディーHCが証言「実はハカについて…」

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で準優勝したイングランドを率いたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)。2003年大会以来2度目の優勝こそならなかったが、イングランドにとっては自国開催で1次リーグ敗退に終わった2015年大会の悪夢を振り払う快進撃は、日本大会のハイライトだった。前回大会では日本代表のHCも務め“ブライトンの奇跡”を演出し史上初の大会3勝をもたらした、日本でもお馴染みの世界的名将が「THE ANSWER」の新春インタビューに登場。前後編でお届けする。

THE ANSWERの単独インタビューに応じたエディー氏【写真:小倉元司】
THE ANSWERの単独インタビューに応じたエディー氏【写真:小倉元司】

新春独占インタビュー後編―ラグビー発祥の地・イングランドが取り戻した誇り

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で準優勝したイングランドを率いたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)。2003年大会以来2度目の優勝こそならなかったが、イングランドにとっては自国開催で1次リーグ敗退に終わった2015年大会の悪夢を振り払う快進撃は、日本大会のハイライトだった。前回大会では日本代表のHCも務め“ブライトンの奇跡”を演出し史上初の大会3勝をもたらした、日本でもお馴染みの世界的名将が「THE ANSWER」の新春インタビューに登場。前後編でお届けする。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 後編は日本大会でのイングランドの戦いと、準決勝のニュージーランド戦で見せた「V字」について。オールブラックスのハカに「V字」で応戦した狙いとは――。“エディー流”の機微が明かされた。

 ◇ ◇ ◇

 2019年11月2日。W杯日本大会は南アフリカが3度目の優勝を飾り、幕を閉じた。44日間にわたるトーナメントで最後の最後に涙を呑んだのが、エディー氏が率いるイングランドだった。決勝戦は前半10分に南アフリカがSO(スタンドオフ)ハンドレ・ポラードのペナルティーゴール(PG)で3点を先制すると、ここから両チームは互いに譲らずPG合戦を展開。後半20分過ぎまでPGによる得点のみで、イングランドは南アフリカを12-18の僅差で追いかけていた。だが、後半26分にWTB(ウイング)マカゾレ・マピンピがトライを決めた南アフリカが、試合終了直前の後半34分にもWTBチェスリン・コルビがトライ。結局、イングランドは12-32で敗れ、準優勝の悔しさを味わった。

 あれから約2か月が経ち、当時を振り返るエディー氏は「決勝戦のような大一番に負けると、もちろんガッカリはします。勝てなかったという傷は残ります」と穏やかな口調で語り始めた。

「傷は残りますが、その中でも良かったことは何だったのか、どの点だったのか、しっかりと目を向ける必要があると思います」

 決勝戦が終わった後の記者会見やミックスゾーンでのこと。メディアから投げかけられた質問は「敗戦」にフォーカスされたものが大半で、「準優勝」という好成績を称えるものはごく一部だった。これに業を煮やしたエディー氏は、ミックスゾーンで半ば呆れた表情で「負けた負けたと言うけれど、W杯で2位、世界で2位になったんですよ」と返答。“ラグビー発祥の地”という肩書きを持つがゆえに期待値が高まり、「良かったこと」に目を向けないメディアに釘を刺す場面があった。

「開催国だった2015年にイングランドは8強入りを逃し、決勝トーナメントまで進めませんでした。そこからチームを建て直し、日本大会では世界2位まで押し上げることができました。もちろん、決勝戦で負けたことにはガッカリしています。それでも、大会を通じて素晴らしいラグビーができましたし、本来のイングランドが持つプライドは取り戻せたと思います」

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集