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アフリカに渡った元Jリーガーの執筆コラムvol.3「現役の私がボランティアをする理由」

現地でサッカーを通じ、子どもたちと交流を図る中町【写真:本人提供】
現地でサッカーを通じ、子どもたちと交流を図る中町【写真:本人提供】

日本にあってアフリカにないもの、それは「夢を持てる裕福さ」

 私は現役選手としてボランティア活動をするということを強く勧めたいと思っています。

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 これはサッカー選手だけ、というよりプロアスリートの方に言わせていただきます。影響力のある立場の人間としてやるべきことという見方もできますが、私はこういった活動を通じてプロスポーツ選手の本質というものを学びました。

 アフリカの各地に見たことのない真新しいサッカーボールを送り、そのサッカーボールをキラキラした笑顔で追いかける子どもたち。

 サッカーボールを手に、自分宛に手紙をもらうということもしばしばありました。ボールを贈るという与える側に立っていたはずの自分が、逆に子どもたちからサッカーを頑張るモチベーションと、たくさんの笑顔が見たいという活力をもらったのです。

 アフリカには貧しくて物が買えない人はたくさんいます。食べる物がなく、大変な思いをしている人も数え切れないほどいると思います。日本でもこのぐらいの情報は知っていたかもしれません。

 しかし、アフリカに来て、日本とアフリカの違いとして強く思ったことは「夢を持てる裕福さ」にあると思います。

 日本では子どもたちは将来、自分のなりたい夢や目標を持ち、もしかしたらその夢が実現不可能になってしまいそうになったら、新たな夢に向かって進む選択肢があります。

 私もプロサッカー選手を夢見た少年の一人でしたから、夢に向かって突き進む素晴らしさも実感として残っています。

 アフリカに話を戻すと、アフリカの子どもたちの多くは学校ではなく、今日を生きるために家族の一員として少ない稼ぎを求める1日が始まります。

 夢や目標に向かっていける状況にないのです。(語弊のないようにお伝えしますが、都市部には学校に通い、教育を受ける子どもも多く見受けられますが、村はもちろん都市部でも学校に行けていないだろうと推測できる子どもも多くいるなという印象です)

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中町 公祐

1985年9月1日、埼玉県生まれ。高崎高(群馬)を経て湘南に入団。同時に慶大に入学し、08年から2シーズンは大学でプレー。10年に福岡に加入し、12年に横浜Mに移籍。13年は天皇杯優勝に貢献し、同年のJリーグ優秀選手賞を受賞。翌年から選手会長に就任した。19年1月からザンビアのZESCOユナイテッドFCに移籍。同国ではサッカーと医療でアフリカ地域支援するNPO法人「Pass on」(https://pass-on8.net/)の代表理事を務め、幅広い活動を行っている。174センチ、74キロ。Jリーグ通算341試合出場、35得点。

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