[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「絶滅危惧種」になったファンタジスタ 漫画で育まれた松井大輔という異端の才能

サッカー元日本代表MF松井大輔。希代のテクニシャンとして、その技術を武器に日本のみならず、フランス、ポーランド、ブルガリアと海外を渡り歩き、38歳となった今なお、Jリーグのピッチを走り続ける。そんな男がこのほど、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身のキャリアからサッカー哲学まで、独自の思いを語り尽くした。

現在は横浜FCに所属している松井大輔【写真:小倉元司】
現在は横浜FCに所属している松井大輔【写真:小倉元司】

松井大輔インタビューvol.1―希代のファンタジスタに聞く「創造性」の作り方

 サッカー元日本代表MF松井大輔。希代のテクニシャンとして、その技術を武器に日本のみならず、フランス、ポーランド、ブルガリアと海外を渡り歩き、38歳となった今なお、Jリーグのピッチを走り続ける。そんな男がこのほど、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身のキャリアからサッカー哲学まで、独自の思いを語り尽くした。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 全3回に分けてお届けする第1回のテーマは「ファンタジスタ」について。

 ◇ ◇ ◇

 松井大輔=ファンタジスタ。

 38歳になった現在こそボランチとして黒子に徹するプレーを優先しているが、今でも松井に対してファンタジスタのイメージを持っているサッカーファンは多いだろう。

 名門・鹿児島実業を卒業して京都パープルサンガ(現・京都サンガF.C)に入団した頃の、あるいは五輪代表の一員として戦っていた頃の彼は、誰も想像できない奇想天外なプレーを得意とするファンタジスタだった。まるでサーカスのようなトリッキーなプレーは松井の代名詞にもなっていた。

「プロの試合は勝たなければいけない勝負の世界なのに、京都時代の僕は変なことばかりやっていました(笑)。ハーフウェーライン付近でクルクル回ってみたりして、そこでボールを奪われてカウンターを食らうこともありました。相手のゴール前やタッチライン付近ならともかく、自陣でいきなり技をお披露目するわけだから、チームにとっては迷惑ですよね(苦笑)。でも当時の仲間や指導者は、状況や時間帯による使い分けを諭してくれた。みんなとても寛容でした」

 ピッチ内外から賛否両論が巻き起こっても、松井は魅せるプレーを続けた。勝敗と直接的に関係のないプレーだとしても、自身の存在意義を示す唯一無二の方法と信じていた。

「チームの勝利とか、あるいは自分の得点とは別次元の話なんです。練習でいろいろなことにチャレンジして技をマスターすると、それを試合で実践したくなる。それでスタンドのお客さんが沸いてくれるのが喜びでした。いわゆる自己満足かもしれません(苦笑)。自分の中での幸せ度、満足度のゲージが上がるような感覚です」

 ヒールリフトもマルセイユルーレットも、最初から上手にできたわけではない。すべて練習の賜物で、その成果を発揮する場が試合だったというわけだ。

 では、松井が創造性あふれるプレーを志すきっかけは何だったのだろうか。

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集