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欧州の強豪国はなぜ強い 女子ハンド代表の“留学組”が感じた日本との「想いの差」

角南は2018年にデンマークでプレー。強豪国で実力を磨いた【写真:荒川祐史】
角南は2018年にデンマークでプレー。強豪国で実力を磨いた【写真:荒川祐史】

感じた日本との違い「自分の意志をしっかり言える選手がたくさんいました」

 双子の妹、そしてその下の妹もハンドボール選手という角南は大阪・四天王寺高から大阪体育大へ進学。2014年に北國銀行へ加入すると、2018年にはデンマークのニュークビン・ファルスターに移籍。強豪国で学んだ。

「デンマークは比較的みんな優しくて、馴染みやすかったです。ただ、私より若い20代前半の選手が多いのに、1人1人すごく自立している。自分の意志をしっかり言える選手がたくさんいました。日本の大学生くらいの年代だと、あそこまで自分の意見を言える選手は少ないと思うので、その意識が違うなと感じました」

 デンマーク出身のキルケリー監督が就任後、代表チームに根付かせようとしたのが、まさに意見交換の文化だった。長い合宿や遠征の時は選手と個人面談の時間を設け、監督の思いや狙いを伝え、選手の考えを吸収。言葉の壁を超えた密なコミュニケーションを心掛けてきた。その過程では選手間のコミュニケーションも活発化。田邉は「チームに若い選手が増えた時、最初はあまりコミュニケーションが取れないこともあったんですが、今ではチームとしてまとまりが出てきました」と話す。

 1つのチーム「おりひめJAPAN」として、世界選手権、東京オリンピックという大舞台に向かう中で、2人がチームに伝えたいこと。それは「想いの強さ」だ。角南は言う。

「メンバーが入れ替わって、これまで国際大会を経験していない選手も増えました。その中で、国際舞台を知る選手と、経験していない選手との間に、少し壁というか想いの差のようなものを感じることもあったんです。でも、これではダメだと思って、練習以外の場面でもコミュニケーションを取るようにしてきました。自分は前回の世界選手権でその差を結構感じたので、新しく入ってきた選手には伝えていきたいと思ったんです。同時に、新しく入ってきた選手も積極的に聞いてきてほしくて。それがこの2年くらいでだいぶんできるようになったと思います」

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