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どうすれば足が速くなるのか 元五輪スプリンターが宮古の小学生へ伝えたかったこと

 8か月ぶりの再会に、子供たちに大きな笑みが浮かんだ。アテネ五輪の陸上1600メートルリレーで4位入賞した伊藤友広氏が24日、岩手・宮古市で行われた「東北『夢』応援プログラム」に登場。3月から遠隔指導ツール「スマートコーチ」を使ったかけっこ指導を行ってきた小学生の元を訪れ、中間発表でそれぞれの成長を確かめた。

アテネ五輪1600メートルリレー4位の伊藤友広氏が「東北『夢』応援プログラム」に出演【写真:編集部】
アテネ五輪1600メートルリレー4位の伊藤友広氏が「東北『夢』応援プログラム」に出演【写真:編集部】

アテネ五輪出場の伊藤友広氏が「東北『夢』応援プログラム」に登場

 8か月ぶりの再会に、子供たちに大きな笑みが浮かんだ。アテネ五輪の陸上1600メートルリレーで4位入賞した伊藤友広氏が24日、岩手・宮古市で行われた「東北『夢』応援プログラム」に登場。3月から遠隔指導ツール「スマートコーチ」を使ったかけっこ指導を行ってきた小学生の元を訪れ、中間発表でそれぞれの成長を確かめた。

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 元五輪スプリンターが登場したのは、タブレットやスマートフォンを使って遠隔指導する画期的な取り組みだ。「東日本大震災復興支援財団」が協力し、アスリートなどが子供たちをスポーツ指導する「東北『夢』応援プログラム」に賛同した伊藤氏は、指導役となる「夢応援マイスター」に就任。4年目を迎える今年は3月から1年間、「スマートコーチ」を通じて、宮古市の地元トラッククラブに所属する9人の小学生を指導している。

 伊藤氏が拠点を置く東京から宮古まで、その距離およそ480キロ。子供たちと顔を合わせるのは3月以来だったが、その間は「スマートコーチ」を通じて伊藤氏から課題と与えられると、子供たちが課題に取り組む様子を動画で撮影。送られてきた練習動画を見た伊藤氏がアドバイスを返すという形でコミュニケーションを図っていたため、遠くても近い存在であり続けてきた。

室内のクリニックではボールを使ったクリエイティブなメニューを紹介

 今回は宮古市内の小学校が舞台となったが、前日からあいにく雨が降り続いたため、クリニックは体育館で行われることに。伊藤氏の「天気は悪いですが、楽しく元気に練習をしましょう」という掛け声とともに、地元クラブのメンバーを含めた26人のクリニックが始まった。ウォーミングアップはまず、ダッシュやスキップなど基本的な動きからスタート。さらに、秋田出身の伊藤氏は「いろいろな体の動かし方をしてみましょう」と、南三陸の厳しい冬でも室内トレーニングで活用できるクリエイティブなメニューも数々提案してくれた。

 例えば、床に足を投げ出して座ったまま足を使わずにお尻を動かしながら前進したり、腕立て伏せの姿勢のまま両腕だけを使った前進したり、深く沈み込んだ姿勢から前にジャンプしながらバスケットボールを両手ですくい上げるように投げたり。様々な工夫を凝らしたメニューの中には慣れない動きも多く、子供たちが悪戦苦闘する場面もあったが、その中でも絶えなかったのが笑顔。伊藤氏との貴重な時間を心から楽しんでいる様子だった。

 続いて、足が速くなるための練習をおさらい。「姿勢は真っ直ぐにしよう」「一番パワーが出るのは、自分の体の真下に足がある時だったよね」「スタートダッシュでは前足の方が大事。上体はいい姿勢のまま腰から折るイメージで」と大事なポイントを改めて確認しながら、けんけんやスキップなどで正しいフォームを身に付けるための練習をした。アドバイスを噛みしめるように聞き入り、実践しようと懸命な子供たち。その姿を見守る伊藤氏も、うれしく愛おしそうな表情を浮かべた。

伊藤氏が伝える足を速くするために大事なこととは…

 およそ1時間半の指導が終わる頃には雨も止み、幸運にも校庭で50メートル走のタイム測定ができることになった。3月に夢宣言した時は陸上競技場のトラックで計測できたが、この日は雨が降った後の土の上。タイムを計る条件としては決していいものではなかったが、張間優翔君(5年)はこの日最速の7秒82をマークしたほか、藤原大誓君(4年)は普段はなかなか出ないという9秒台を記録するなど、それぞれが成長を感じる時間となった。

 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。久しぶりに会った伊藤氏との中間発表は閉会の時間に。伊藤氏は「足を速くするには、いろいろな体の使い方をできることが大事です。いろいろなスポーツをやったり、今日やったボール投げなどをやったり、楽しく考えながらやってみて下さい。成果発表でどんな記録ができるか楽しみにしています」とエールを送った。成果発表が行われる3月までの4か月間、元トップスプリンターと宮古の子供たちは480キロの距離を超え、「足を速くする」という1つの目標に向かって前進していく。

(THE ANSWER編集部)

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