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有望選手は高2で進学先内定 米国の「大学リクルート事情」、マッチングサイトも登場

大学側と高校生を結ぶ“マッチングサイト”も登場

 8月末の野球のワールドカップU-18米国代表は、これから高3(12年生)に進級する選手が多い。学校が9月はじまりのためだ。しかし、彼らのほぼ全員がどこの大学に進学するかを表明している。公表することによって、他大学からの誘いを受けることがなくなり、競技に集中できるからだ。

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 ただし、これは、まだ正式な書類に署名しておらず、生徒側、大学側から変更もあり得る状態。「バーバル・オファー」という言葉もあり、これは文字通り、大学のコーチらが口頭でオファーするものだ。「8年生(中学2年生)が強豪大学からオファーされた」というニュースを見かけるが、これは正式な書類をやりとりしたものではなく、「バーバル・オファー」である。

 大学には地域スカウトがいるとはいえ、住んでいる地域によっては、スター級の選手以外まで目が届いていないこともある。その時には売り込む。

 米国では「ショー・ケース」という名前のついた大会が開催される。スカウトらが集まる場所で試合をするのが目的だ。この他、大学主催のサマーキャンプに参加する方法もある。米国の高校運動部は夏休みには公式戦を行わないが、個々で民間主催のショー・ケース大会や大学主催のサマーキャンプに参加する生徒がいる。

 自分の所属している学校運動部のコーチや学校外のクラブチームのコーチには、複数の大学運動部と幅広いコネクションを持っている人もいる。高校進学前から、NCAA入りを狙っている場合は、進学実績のあるチームを選び、指導者のネットワークを活用するケースも多い。

 この他にも、良い選手を探している大学と、大学のコーチの目に留まりたい高校生をマッチアップさせるコンサルタント会社が運営しているウェブサイトもある。フェイスブックのプロフィールのような個人ページに学業成績やパフォーマンスのビデオを投稿する仕組みだ。スマートフォンで簡単に動画撮影する時代とはいえ、売り込み用の動画を撮影を請け負う専門業者も存在する。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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